2002年3月29日

研究専門委員会 委員長・幹事長各位
コンクリート工学協会賞 受賞者 各位

パネル作成ガイドライン

JCIつくば大会2002実行委員会
講演部会長 野口 博

1. リサーチプラザの意義
JCI大会で、一般講演以外に特定の時間を設け、パネル展示とディスカッションの機会である「リサーチプラザ」を行うのは初めての試みです。通 常のポスターセッションと異なるのは、展示物を紙製のポスターではなく、高級なパネルとしていることです。
つくば大会2002に向けてパネルによる発表の一般公募も検討しましたが、今回は、最も質の高いパネル展示とディスカッションが期待できる研究専門委員会の研究成果 発表とコンクリート工学協会賞の紹介に限ることと致しました。
「リサーチプラザ」でのパネル展示とディスカッションは、参加者の間の交流や議論を深め、大会の活力の向上を目指すために有効と考えます。今後の大会はもちろん、研究会などでもこの方法が取り入れられることを期待しております。JCI研究専門委員会は、短期間で組織的に研究成果 を上げるために活発な活動をされております。パネルによる発表では、委員会の研究経過や成果 を大会参加者に伝えることが主目的ですが、委員会側としても様々な観点からの意見や指摘が得られ、今後の研究の方向性やアイディアも得られる可能性を持っており、委員会活動に役立つことが期待されます。
パネル作成はJCI事務局で行いますので、各研究専門委員会、各受賞者におかれては、パネル作成のための原稿をご提出下さい。口頭発表の際の直ぐに消えてしまうOHPや液晶プロジェクターよりも影響力の大きいパネル展示の特徴を活かして、研究成果 や受賞内容をわかりやすく紹介する見応えのあるパネルを作っていただきたいと思います。

2. パネルによる発表方法
コンクリート工学年次大会2002(つくば)における「リサーチプラザ」でのパネル展示とディスカッションの詳細は以下の通 りです。

(1) 日時:2002年6月19日(水) 12:30〜14:00
大会初日の午後最初の時間帯に「リサーチプラザ」専用セッションを設けます。この時間帯では一般 講演は行われません。時間は90分間です。各研究専門委員会、各受賞者におかれては、この時間帯にパネルのそばに詰めて、随時説明や質疑応答をお願い致します。
(2) 場所:つくば国際会議場(エポカルつくば) 1Fエントランス 「リサーチプラザ会場」
(3) 展示パネルと提出方法
【展示パネルのサイズと枚数】展示パネルのサイズはB1サイズ(728mm×1030mm)となります。各研究専門委員会はこれを2枚あるいは4枚使用できます。各受賞者は2枚使用できます。パネルは1000mmx2100mmのボードの上に展示されます。各ボードは135度の角度で2枚ずつ見開きとなります。1枚目のボードの左上に研究専門委員会名、あるいはコンクリート工学協会賞名を示しますが、これはJCI事務局で行います。以上については別 添の説明図をご参照下さい。
【作成方法】MS Power PointにてB4縦サイズの原稿(257mm×364mm、最小フォントサイズは18ポイント)を作成して下さい(別 紙資料をご参照下さい)。この原稿を含むMS Power PointのファイルをJCI事務局・竹田宛てにe-mailの添付ファイルにてお送り下さい。このB4縦サイズの原稿をそのまま拡大してB1縦サイズのパネルを作成します。面 積は8倍、文字の縦横は約2.8倍となります。
送付先のアドレス: <taketa@jci-net.or.jp>
【提出期限】2002年5月20日(月) 厳守して下さい。
【その他】
(1)中間報告を希望する研究専門委員会は2002年3月29日(金)までにその旨事務局宛ご連絡下さい。
(2)委員会報告の論文集への掲載は、従来通り、今年度終了予定の研究専門委員会の研究成果 の報告としてお願い致します。
(3)なお、従来通りの講演形式による発表も併せて希望される場合は、3月29日(金)までにその旨、事務局までお申し出下さい。

3.パネルの設営と発表
(1) パネル展示位置のコマ割については、JCI事務局にご一任下さい。パネルの作成、設営は、原則としてJCIで依頼した業者が一括して行います。
(2) 発表時間帯には、研究専門委員会では委員長・幹事長など、協会賞では受賞者ご本人など、説明担当者を常時少なくとも1名、パネルのそばに常駐させて下さい。説明は、聴衆の集まりの状況に応じて随時お願い致します。パネルは、大会期間中の3日間掲示しますので、発表時間帯以外でも随時説明を行っていただいて結構です。
(3) 静的なパネル展示だけでなく、研究成果を多面的、かつダイナミックに紹介できる液晶プロジェクターによるデモプレゼンテーションや小規模の実物展示なども可能です。その場合には、机や電源を用意しますので、4月30日までにJCI事務局までご連絡下さい。なお、必要なPC、液晶プロジェクター、スクリーンなどは、各自でご用意下さい。
(4) パネルの説明の補足用に配布資料を準備願います。委員会報告原稿のコピーや受賞論文のコピーなど。配付資料を置く机は事務局で用意します。

4.パネルの作成方法と注意点
先に述べたように、MS Power PointにてB4縦サイズの原稿(最小フォントサイズは18ポイント)を作成していただきますが、次の点にご留意ください。
(1) パネルは提出いただいたB4版(257mm×364mm)の原稿をそのままB1版(728mm×1030mm)に拡大して仕上げます(面積で約8倍)。
(2) パネルを見る順番をパネル内に振っておくと、説明者がいないときでも、理解しやすいので親切です。
(3) パネル作成の基本:以下は進化経済学会ポスターセッション感想記より抜粋したものです。ポスターセッションにおけるポスター作成の基本が書かれていますが、パネル作成にあたっても参考になる事項です。:http://arukalab.tamacc.chuo-u.ac.jp/~jafee2000/PosterSessionReport.htm
「ポスターは、説明する時の補助的な資料でありますが、自分がポスターの前を離れている時、もしくは、発表している途中でも人越しに、ポスターだけを見ている方がおります。そこで、ポスターだけを見ても研究の流れや内容がわかるようなものにすることが大切です。また、一度に2~3人に 説明するのが普通ですが、注目されている研究などですと、人だかりができることもあります。そのため、大きい文字で簡潔にまとめることも大事です。『1メートル離れた所から見ても文字が読め、研究内容がわかる』ことを目安にするとよいでしょう。また、色や図を多用してわかりやすくする工夫も必要です。あまり詰め込み過ぎると説明する方も聞く方も疲れてしまいます。」
(4) 概要の作成:ポスター全体の概要がコンパクトに把握できること。
(5) ポスターの準備:できる限り視覚に訴え、魅力的なものとなるようにデザインを考える。基本はシンプルで、複雑なデータなどは省くこと。また、文字は太字で大きくし、当該分野の専門家でなくても伝わるように工夫する。
(6) 図・写真:大きく、数を最小限に抑え、高品質なものとする。ラベルや指示線、矢印などは太めで見やすくする。文字は、背景に対し、はっきりと見やすい配色とする。ポスターでは、拡大したカラー印刷は魅力的である。背景の色は、目を引くために役立つ。異なる色の組み合わせの配色の背景は魅力的であるが、多くの色やフォントの使用は、かえって混乱し、ポスターの理解を妨げるので、注意が必要。
(7) タイトル:大きく、5m離れても読めるように。短く、文字は太めとし、できれば5cm以上の高さはほしい。タイトルはアピールする形でもよい。たとえば、質問形とか。研究機関のロゴや発表者の写 真を入れる人もいる。ポスターをほかのポスターと見分けるのに有効。
(8) テキスト(内容):内容は、簡潔で読みやすく、容易に例解できるように。ポスターは、タイトル、アブストラクト(概要)、短い導入部、研究の目的・ねらい、結果 と討論、結論・まとめなどから構成される。これらをそれぞれ短めの一覧として示す。沢山の表やデータは入れない。データの比較は、グラフで示す。テキストの文字は、2m離れても読めるくらいの大きな文字とする。

参考文献
1."A Personal Guide to Improving Microscopy Papers," by Coleman, Royal Microscopical Society Proceedings, Vol. 29, Part 1, January 1994, pp. 18-19.
2. インターネットホームページ:進化経済学会ポスターセッション感想記より:http://arukalab.tamacc.chuo-u.ac.jp/~jafee2000/PosterSessionReport.htm
3.インターネットホームページ:進化経済学会ポスターセッション実施例より:http://www.res.otaru-u.ac.jp/~egashira/post/poster.html
4.徳田耕一、北村房男訳、Peter J. Gosling、「科学者のためのポスターセッションガイド」、丸善、2001年1月、168頁.

パネルとボードの説明図