日本コンクリート工学会

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日本コンクリート工学会50年のあゆみ

第3編 事業

7. 資格認定試験制度

(1)コンクリート技士試験
1968年10月の定例理事会でコンクリート技能(術)士(仮称)の検定制度を設ける提案がされ、検討の結果、関係官庁(建設省技術参事官室、通産省窯業建材課、工業技術院材料規格課、労働省技能検定課など)の意見を打診した上で、差し当たりレディーミクストコンクリートの技術者を主対象として実施する方針を固めた。
資格の名称を「コンクリート技士」および「コンクリート主任技士」と定め、諸規定を整備し、1970年5月の通常総会で定款の変更を行った。1970年11月に「コンクリート技士」の申込みを受けたが7,409名と予想を上まわり、1971年1月31日に札幌、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡で試験を実施した。「コンクリート主任技士」は1971年11月に第1回筆記試験を、1972年2月に口述試験を行った。
コンクリート技士資格認定制度は、その後順調に推移し、関係方面から次第に認められるようになってきたが、1978年から制度見直しの意見が出されアフターケア問題懇談会が開かれた。1980年、技士制度推進委員会(亀田泰弘委員長)を設け、有資格者のアフターケアを中心とした制度の見直しを進めることとなった。1983年10月、コンクリート技士については「登録制度と研修制度」、コンクリート主任技士には「登録制度」を設けて1984年から実施することが理事会で決定し、1984年2月に建設大臣の承認を得、技士制度推進委員会を発展的に解消して、コンクリート技士登録・研修委員会(山崎寛司委員長)が発足した。
登録の有効期間は4年で、「コンクリート技士」は研修を受けることが更新の条件になっている。コンクリート主任技士についても、アフターケアの観点より長らく研修制度の導入が検討されていたが、2016年度より研修制度を開始する予定である。

(2)コンクリート診断士資格認定試験
膨大に蓄積されてきた社会資本であるコンクリート構造物について、その維持・管理の重要性が増してきている。コンクリートの診断・補修を適切に行うことによってコンクリート構造物を永く供用していくためには、診断・補修技術をもった多くの技術者が必要となる。これらの要請に応えるため、1997年2月にコンクリート診断士制度検討委員会が設置され、官庁・大学・関連団体・企業等関係者20数名による診断士制度懇談会を開催して意見交換するなどして検討委員会で多くの審議を重ね、コンクリート診断士制度を策定し1999年10月理事会で承認された。本制度では、診断業務に関して従来断片的な情報が多く、大学においても詳細な授業が行われていないのが一般的であるため、本来であれば資格の有無を判定する試験だけでよいはずであるが、受験者に最新の情報をも勉強してもらうことを目的として「講習」を義務付けることになった。
第1回コンクリート診断士試験は東京、大阪、福岡において、2001年4月に講習会を開催(受講者4,970名)し、同年7月に試験を実施(受験者4,408名)した。合格者は796名(合格率18.1%)で全員が診断士登録を行った。
第2回以降については講習会・試験共、実施都市を増やし、2015年度は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の9都市で実施する。
コンクリート診断士の登録有効期間は4年間であり、更新にあたっては研修受講が義務付けられている。2005年度より、毎年全国の複数都市でコンクリート診断士研修会を開催している。2015年3月末現在、コンクリート診断士の登録者は11,105名である。

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