会長就任挨拶

阪田憲次

 この度、通常総会におきまして、伝統ある日本コンクリート工学協会の会長に推挙いただき、身に余る光栄と存じますとともに、その重大な使命と責任を痛感し、緊張いたしております。

  社団法人日本コンクリート工学協会(JCI)は、1965年の設立以来40余年にわたり、コンクリート工学全般の学術・技術の進歩、発展に貢献してまいりました。JCIの活動は、先輩諸氏の確かな先見性と適切な指導により、着実に発展してまいりました。その活動は、わが国だけにとどまらず、国際的な拡がりを持ち、とくにアジアにおいては、指導的役割を果たすに至っております。今や、JCIは、世界ブランドとして、国際的に認められているところであります。

  さて、JCIが取り組むべき喫緊の課題は、公益法人改革への対応であります。本年12月1日より新しい公益法人体制が敷かれることにともない、JCIも公益社団法人としての認定を受けなければなりません。JCIにとって、公益認定の基準をすべて満足する為には、克服しなければならない若干の課題が残されています。すでに、辻幸和副会長を中心に、公益法人制度改革対応委員会によって、この問題の検討をしていただいているところであります。その議論を踏まえ、会員の皆様の叡智を集め、結論を出し、決断しなければなりません。その要諦は、現在のJCIの諸事業の遂行を妨げることがなく、しかも、JCIの学協会としての活動に相応しい法人格を取得することであると思います。

  2007年に開催されたIPCC総会において承認された統合報告書によれば、地球温暖化は極めて深刻な状況にあることがうかがわれます。JCIおよび会員の営為は、地球温暖化の原因および解決と深い係わりがあり、それに対する緩和策および適応策において、社会に貢献すべきでありますし、その力量を備えていると確信します。とくに、緩和策および適応策の一環として、社会基盤の高耐久化、長期効用が叫ばれ、コンクリート構造物の維持管理がいよいよ重要となる昨今、コンクリート技士、主任技士および診断士といったJCI認定のコンクリート専門技術者に対する社会ならびに発注者から信頼と期待はきわめて高いといえます。1970年に創設されたコンクリート技士および主任技士制度によって、すでに、技士約40,000人、主任技士約9,000人を、さらに、2001年創設のコンクリート診断士制度によって、約6,500人の診断士を世に送り出しています。今後、時代の要請により、さらに多くの専門技術者が必要とされると思われ、その充実と資質の向上に努めなければなりません。

  耐震偽装問題、データ改ざん問題等、技術者倫理に悖る事例が社会的問題になったことは、記憶に新しいところであります。JCIとしても、しっかりとした倫理規範を持つとともに、その遵守の徹底を図ることが重要であります。すなわち、社会的要請への対応としてのコンプライアンス推進であります。

  長瀧重義21代会長および友澤史紀22代会長の下で副会長をつとめさせていただき、JCI運営についてご指導を賜りました。その教えを継承し、JCI発展の為に微力を尽くしたいと存じます。会員の皆様方の格別のご支援、ご協力をお願い申し上げ、会長就任挨拶と致します。

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