変形性状

 コンクリートに荷重が作用することで生じる変形は、荷重と同時に生じる変形と荷重が作用し続けた場合に時間とともに生じる変形に分けられる。前者の挙動は応力−ひずみ関係で表され、弾性定数などの力学定数が求められる。後者の変形は、クリープ変形と呼ばれる。

応力−ひずみ関係

コンクリートは完全な弾性体でないので、応力とひずみとの関係は最初から曲線となり、鋼のそれとは著しく異なる。 ペーストおよび骨材の応力-ひずみ曲線は、最高応力に達するまでの全域にわたりほぼ直線とみなすことができるが、モルタルやコンクリートの場合は低応力の段階から曲線である。これは、コンクリート内部、特にペーストと骨材の界面に発生する微小ひび割れに起因するものである。 一般に高強度コンクリートの方が曲線の立上り勾配が急で変形が少ない。しかし最大応力に達するひずみは0.2 % 前後、破壊時のひずみは0.3〜0.4 % で、コンクリート強度による差は比較的小さい。

弾性定数

 弾性定数には、弾性係数、ポアソン比、せん断弾性係数などがある。

 静的載荷によって得られた応力-ひずみ曲線から求めた弾性係数を静弾性係数といい、これには(1)初期接線弾性係数、(2)割線弾性係数および(3)接線弾性係数の3種類がある。通常、鉄筋コンクリートの設計に用いられるのは、静的破壊強度の1/3の応力の点と原点とを結んだ直線の勾配で表される割線弾性係数である。

 物体に軸方向の力を加えると、その方向のひずみとともに、直角方向にひずみを生ずる。これらのひずみの絶対値の比をポアソン比と呼ぶ。コンクリートの圧縮時のポアソン比は、一般に1/5〜1/7程度である。

 せん断力に対する弾性係数として、せん断弾性係数(剛性率)がある。これは、弾性定数間の関係から次式で求められる。一般にせん断弾性係数は、ヤング係数の0.42〜0.44倍程度となる。

クリープ

持続荷重が作用すると、時間の経過とともにひずみが増大する。この現象をクリープといい、増大したひずみをクリープひずみという。クリープは載荷応力にほぼ比例するが、ある程度以上載荷応力が大きくなれば、ついに破壊に至る。これをクリープ破壊と呼び、クリープ破壊の起こる下限の応力をクリープ限度と呼ぶ。コンクリートのクリープ限度は、コンクリート強度のおよそ75 〜 85 % 程度である。

 クリープに影響する因子としては、以下が挙げられる。

 1) 載荷期間中の大気湿度が低いほどクリープひずみは大きい。これは、コンクリートが乾燥するとクリープが助長されることを意味する。

 2) 部材寸法が小さいほどコンクリートが乾燥しやすいため、クリープひずみが大きくなる。

 3) セメントペースト量が多いほどクリープひずみは大きい。

 4) 水セメント比が大きいほどクリープひずみは大きい。

 5) 組織が密実でない骨材を用いたり、粒度が不適当で空隙が多いコンクリートはクリープひずみが大きい。

 6) 載荷応力が大きいほどクリープひずみは大きい。

 7) 載荷時材齢が若いほどクリープひずみは大きい。

(上記内容は、コンクリート技術の要点'07からの抜粋です。詳細はそちらをご確認下さい。)

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