四国コンクリート研究会設立趣意書

 

 21世紀を目前に控え、わが国を取り巻く状況は大きく変化しています。経済の高度成長が終焉し、現在、それらを前提として構築されてきたあらゆるシステムの根源的な見直しが続いていますが、新しいフレームワークの創出に生みの苦しみが続いています。私たちが関わる建設分野も例外ではなく、依然として厳しい状況にあります。

 昨今の日本経済の行き詰まりは、強いて言えばあらゆる分野における東京一極集中が招いた帰結でもあります。効率的な視点が重要視され、地方が有するポテンシャルを展開させるためのシステムの導入に失敗したわけです。日本の再活性化の切り札は、地域の戦略的開発です。しかも、それは地域自らの手によるものでなければなりません。

 四国では、一昨年、高知工科大学が開学し、香川大学工学部も設立されました。既存の徳島大学と愛媛大学をあわせて、四国各県に社会基盤整備に関わる研究開発拠点が揃ったわけです。これに伴い、社会基盤整備に極めて重要な役割を果たしているコンクリートに関する研究者の数も増えました。これらは、今後、四国の研究者・技術者が連携して、四国の社会基盤整備に必要な技術開発の素地が出来上がったことを意味します。

 そこで、四国の産官学が連携して、社会基盤整備のためのコンクリート技術の向上と新しい価値観に基づく地域開発を図ることを目的として、四国コンクリート研究会の設立を呼びかけるものです。瀬戸内3橋時代と言われ、本州中国地方との距離が狭まった状況の中で、研究会の範囲を四国に限定するのは、四国というアイデンティティを失うことなく新しい時代を見据えて行きたいという強い思いがあるからに他なりません。

 研究会設立の趣意にご理解賜りまして、できるだけ多くの研究者・技術者、および企業・団体からのご参加をお願いする次第です。

 

平成11 年6月吉日

 

四国コンクリート研究会設立発起人

 

岡村  甫 高知工科大学副学長

堺  孝司 香川大学教授

島   弘 高知工科大学教授

竹下 治之 高松工業高等専門学校教授

橋本 親典 徳島大学教授

水口 裕之 徳島大学教授

氏家  勲 愛媛大学助教授

大内 雅博 高知工科大学講師

元木 忠昭 建設省四国地方建設局企画部技術管理課長

久本 元大 香川県土木部土木監理課技術管理室長

井原 幸夫 愛媛県土木部土木管理課技幹

二木  勉 徳島県土木部監理課建設管理室長

宮崎 利博 高知県土木部技術管理室長

柏原  敏 高松市土木部監理課技術検査室長

松本 啓治 松山市建設管理部管理課課長補佐

柳  喜史 徳島市土木部工事検査監

森   稔 高知市総務部工事検査室長

中村 雅彦 日本道路公団四国支社建設部工務課長

荒柴祐二郎 水資源開発公団吉野川開発局審議役

鎌田 文明(社)建設コンサルタンツ協会四国支部長

富田 文男(社)香川県建設業協会会長

羽田 政市(社)愛媛県建設業協会会長

池田 孝司(社)徳島県建設業協会会長

井上 和水(社)高知県建設業協会会長

赤澤  一 香川県生コンクリート工業組合理事長

ア山 春繁 愛媛県生コンクリート工業組合理事長

川田  修 徳島県生コンクリート工業組合理事長

佐田 末喜 高知県生コンクリート工業組合理事長