鉄筋コンクリート構造物の
複合劣化機構の解明とその対策に関する
研究委員会

JCI-TC172A
 
委員会設立主旨

 複合劣化が生じた鉄筋コンクリートでは、単独劣化と比較して、進行速度が速くなる場合がある。この様な変状は、老朽化が社会問題となってきた現代、特に増加している。しかしながら、2000年に成果報告された「複合劣化コンクリート構造物の評価と維持管理計画研究委員会」以降の知見は、体系的に整理されていない。したがって、本研究委員会では、最新の研究成果も含めて、土木構造物や建築物で生じた複合劣化の実態を踏まえた上で、材料科学的考察も加味してメカニズムを解明し、その劣化度を評価するために効果的な点検方法、および劣化を低減するために有効な事後保全方法ならびに予防保全方法を提案する。なお成果は、ひび割れ指針(略称)や土木・建築分野の示方書に反映され、また実務にも活用されることを想定する。


 
 
活動計画

 複合劣化の機構解明に資する国内外の調査結果や研究成果を整理し、その劣化進行を評価するために効果的な調査方法、および劣化速度を低減する補修方法を精査する。ここで、対象とする複合劣化は、塩害+中性化、塩害+アルカリシリカ反応、塩害+凍害、などを想定している。また、複合劣化とそれぞれの単独劣化における、物質浸透、鉄筋腐食やひび割れ発生等を比較し、環境作用や材料条件が劣化進行に及ぼす影響を整理する。


(c)鉄筋コンクリート構造物の複合劣化機構の解明とその対策に関する研究委員会