エトリンガイトの遅延生成(DEF)に関する
研究委員会

JCI-TC-173A
 
委員会設立主旨

 エトリンガイトの遅延生成(DEF)による構造物の劣化が国内でも報告されているが、現状では知見が十分に体系化されるには至っていない。本委員会では、DEFによる膨張劣化について、そのメカニズムや対策、実構造物の事例解析、抑制対策、研究の現状に関する各国の取組みなどについて、文献調査等を通じて総合的に整理する。その上で新設構造物での抑制対策、既設構造物での診断法を提示することを目的とする。


 
 
活動計画

 本委員会では、以下に示す2つのWGを設置し、調査研究活動を行うこととする。まずJCI内での学術知見の共有による日本の研究基盤のボトムアップを目指し、実務的観点も踏まえた議論を進める。

WG1:メカニズム・診断WG(主査:小川彰一、副査:吉田夏樹)
DEFのメカニズムに関する国内外の文献調査を実施する。特に、室内試験の結果だけでなく、実構造物の診断事例も含めて俯瞰的にDEFのメカニズムを議論し、診断技術のブラッシュアップを図る。まずはWG全体で議論を進め、必要に応じて以下のSWGを開催する。
(1)SWG1-1:メカニズムWG(主査:小川彰一)
 DEFのメカニズムに関する文献調査を実施し、DEFに関する最新情報を整理する。
(2)SWG1-2:診断WG(主査:吉田夏樹)
 既設構造物におけるDEFの診断方法について、文献調査を実施するとともに、必要であれば共通試験などを実施する。
WG2:事例解析・抑制対策WG(主査:川端雄一郎、副査:兵頭彦次)
DEFの劣化事例に関する情報収集を行い、それらの事例を解析することで、DEFの発生し易い条件について検討する。また、事例解析や海外情報を基に、材料および施工の観点からの抑制対策について検討する。必要に応じて以下のSWGを開催する。
(1)SWG2-1:事例解析WG(主査:兵頭彦次)
 国内外の実構造物の劣化事例の収集を行い、構造物の構造諸元や環境作用などの特徴を整理抽出する。
(2)SWG2-2:抑制対策WG(主査:川端雄一郎)
 海外の抑制対策事例およびその制定背景・根拠を調査し、国内での混和材の効果や実務における運用を踏まえた抑制対策のあり方について整理する。


(c)エトリンガイトの遅延生成(DEF)に関する研究委員会