内部膨張反応によるコンクリートの
膨張評価と予測に関するFS委員会

JCI-TC205F
 
委員会設立主旨

 近年、アルカリシリカ反応やエトリンガイトの遅延生成、さらには骨材中の硫化鉱物の酸化によるエトリンガイト生成など、内部膨張反応(ISR)によるリスクが国内外で注目されているが、これらの膨張現象の評価・予測は未だ研究途上である。
 本委員会では、ISRに共通する基礎理論を改めて見つめ直し、ISRに関する試験法と予測モデルをセットで提案することで、より実行性のあるISRリスク評価法を世界的にも先行して提示することを最終目標とする。本目標達成のため、FS委員会では、数値解析モデルと室内実験・分析手法の利点・欠点を整理した上で、今後モデリングや試験法で目指すべき方向性を提示する。また、硫化物含有骨材の国内リスクを検討し、今後の研究方向性を示す。


 
 
活動計画

本委員会では、以下に示す4つのWGを設置し、調査研究活動を行うこととする。
WG1:基礎理論WG(主査:高橋佑弥)
ISRに関連する基礎理論について、他分野の基礎理論等を参考にしながら改めて整理する。必要に応じて、他分野での共通の現象に精通する研究者を招聘し、その基礎理論等を講演いただく。他分野との整合性等を踏まえ、コンクリート工学分野におけるISRに関する基礎理論を改めて考察する。
WG2:モデリングWG(材料SWG:寺本篤史、構造SWG主査:高橋佑弥)
ISRの材料〜構造に関する国内外の最先端の予測モデルを分析し、室内実験や暴露実験等との比較から、今後モデリングで目指すべき方向性を提示する。
WG3:膨張試験WG(主査:佐川康貴)
現在、膨張試験が整備されていないDEFに着目し、将来的なDEFの試験法の提案に向けて、室内実験における現象の整理を行うとともに、必要に応じて基礎データを取得し、今後の試験法の提案に向けた課題を整理する。
WG4:硫化物含有骨材WG(主査:宮本慎太郎)
硫化物含有骨材による劣化に関する文献情報を整理し、それに基づいて国内での劣化可能性を地質学的観点等から評価する。


(c)内部膨張反応によるコンクリートの膨張評価と予測に関するFS委員会