特集
首都圏のインフラストラクチャーを支えるコンクリート


国内のインフラは、戦後の復興期から高度経済成長期を経ながら高水準の整備が続けられている。また、インフラの整備は、そのときの社会的状況、社会的要求に応じて加速する状況が生じる。近年においては、東日本大震災や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催がそのきっかけとなっている。特に首都圏においては、競技関連施設、鉄道、道路などのインフラの整備がオリンピック開催という後押しの下、進められている。一方で、本誌では2015年1月号に「復興と五輪に貢献するコンクリート」と題して五輪に関連した特集を組んでいる。この号では、今回の五輪が「東日本大震災からの復興」を掲げていたこともあり、震災復興と同時進行する五輪特需に向けた建設業界の課題と取り組み、2020年以降の課題と展望に触れており、1990年代からの建設投資額および建設業従事者が減少していることや震災復興事業の同時進行により、技術労働者不足、資材不足という状況の中で建設事業を遂行していくという課題が挙げられている。また、オリンピック開催に伴い整備したインフラ施設をその後も無駄なく恒久的に有効利用できる貴重な財産として遺すことが求められるといった方針も掲げられている。

このような状況の下、競技会場やインフラの整備がひと段落しつつある中で、東京2020オリンピック開催直前の特集号ということもあり、オリンピック関連の新設あるいは改修された施設も含めて首都圏のインフラ施設の整備の紹介を盛り込んだ特集を企画させて頂いた。ここでのインフラは、社会生活上の基盤となる道路、橋、鉄道、港湾、河川関係の施設から駅、スポーツ施設、住宅などの公共設備を対象としている。これらの施設の整備状況の紹介を通じて、人々の生活を快適で豊かにし、かつ災害に強いまちづくりに貢献するインフラ施設の計画・設計・施工・維持管理について俯瞰して頂くとともに持続可能な次の時代に残るコンクリート構造物とはどうあるべきか考えるきっかけとしたい。また、数十年後の将来日本でオリンピックが開催される際には、過去を振り返って頂く一資料になれば幸いである。

(コンクリート工学編集委員会)

本号に掲載の各原稿は、新型コロナウイルスの感染拡大により東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催延期が決まる以前に提出を受けたものです。原稿によって開催延期に関する記載の有無が混在していますことをご理解願います。

ページの先頭へ