コンクリートの高温特性と
コンクリー卜構造物の耐火性能研究委員会

JCI-TC-096FS
 
委員会設立主旨

 地中に構築される土木機造物や高強度コンクリートを用いた建築物などは、火災に対する安全性が強く求められている。最近では、高架橋における火災が隣接する建築物に影響を与えるなど、現実にも土木、建築共通の問題である。本研究委員会は、現状では必ずしも明確ではないコンクリートの(超)高温時における特性と火災時における構造物の耐荷性や変形性との関係を、最新の実験結果や解析手法により明かにすることを主目的とする。また、耐火試験方法、耐火対策、火災を受けた構造物の調査、診断及び対策についても文献調査などを行い、耐火コンクリート構造物(コンクリート製品含む)の設計、施工(製造)、維持管理全体に関する最新技術の現状をまとめることにより、耐火技術の研究開発に貢献することも重要な目的とする。


 
 
活動計画

 今年度は、コンクリート構造物の耐火設計手法の開発や火災被害を受けたコンクリート構造物の診断方法の確立に向けて、火災の成長現象、火災(高温)によるコンクリー卜の化学的・物理的変化、火災のコンクリート構造物の各種性能への影響などについて、これまでに実施されてきた国内および海外の研究事例や、コンクリート構造物の防耐火に関わる制度・規格・法規などを調査することによって、日本コンクリート工学協会として、どのような活動を実施できるか、どのような成果を目指すべきかに関して、綿密な議論を行うこととし、次年度以降で実施すべき研究活動の方向性を確定させる。具体的には、2〜3のワーキンググループを設けて、国内外の文献調査を実施することにより、技術の現状を把握し、解決すべき課題を明確にするとともに、専門家を招聘して講演を依頼し議論を行う。
 具体的には、次年度以降の研究の継続を視野に入れて、今年度は下記の活動を行うことを予定している。

  • 耐火設計や耐火性能照査(検証)方法の現状の整理
  • コンクリートの標準的な(超)高温物性試験方法の現状の義理
  • コンクリート部材の標準的な耐火試験方法の現状の整理
  • 日本コンクリート工学協会として耐火設計、耐火性能照査(検証)法および耐火性誌験方法を確立するための課題抽出と今後の研究方向の提示
  • 耐火材料や耐火コンクリートに関する技術の現状の整理
  • 火害を受けたコンクリート構造物の調査法および性能の評価・判定方法の事例と技術の現状整理

(c)コンクリートの高温特性とコンクリー卜構造物の耐火性能研究委員会