2017年の新春を迎えて

会長 丸山久一

 新年あけましておめでとうございます。本年も本学会会員の皆様にとりましてよい年でありますことを心からお祈り申し上げます。

 昨年は国際的にも国内的にも,一般的な当初の予想を覆す出来事がいろいろ発生いたしました。大きな出来事としては,6月の英国での国民投票によるEU離脱と,11月の米国の大統領選挙です。国内でもありました。マスコミをはじめとして,識者と言われる方々のものの見方が人々の思いとズレてきたのか,あるいは見たいものしか見ないという悪弊に染まりつつあるのか分かりませんが,本学会を取り巻く環境の変化についても十分心しておく必要があるように感じています。

 想定をしていない事象の発生という点では,自然災害はその最たるもので,2つの活断層が連続して動いた4月の熊本地震,8月の台風の連続来襲はこれまでの経験を越えていました。被害状況もこれまでの経験を越えています。これらの災害からの復旧,復興には国をはじめとして多くの方々のご努力が必須ですが,本学会もこれまでと同様,蓄えた技術力で貢献してまいりたいと思っています。コンクリートに関する技術については,本学会の会誌や委員会報告等に掲載してきております。特に,東日本大震災の復興に関連して,コンクリートに関する新たな技術が数多く開発されておりますので,会員の皆様には是非ご参考にして頂きたいと思います。

 さて,一昨年,創立50周年を記念して新たに設立した会員制度(終身会員,フェロー会員)の中で,最初のフェロー会員として62名の方々が認定されました。おめでとうございます。引き続き,本学会およびコンクリート関係分野においてご支援,ご協力を期待しております。応募の詳細は,会誌およびホームページで公開しておりますので,有資格者の方々は是非応募して頂きたいと思います。

 新たな制度として,本年度,助成金制度を立ち上げました。コンクリートに関する研究の助成と,これまでに成し遂げた成果を国際会議で発表するための助成からなっています。詳細は,本学会の会誌およびホームページで公開しておりますが,研究助成は50歳以下,国際会議の発表助成は40歳以下となっていて,どちらかというと,若い方々の研究活動の助成を目的としております。

 本学会の調査研究活動は多岐にわたっておりますが,特にコンクリートのひび割れに関する技術は国内のみならず,国際的にも高い評価を得ております。昨年,「マスコンクリートのひび割れ制御指針」を改訂し,講習会を開催いたしました。毎年講習会を実施している「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針」は維持管理の必携書として多くの技術者のバイブルとなっています。

 国際連携の一環として,昨年11月にオーストラリアのコンクリート学会と学術交流協定を締結いたしました。山本泰彦元副会長に仲介の労をとって頂き,迅速な締結に至りました。新たな展開が期待されます。国際的な活動予定としては,4月に東京でJCI-RILEM主催のマスコンクリートのひび割れ制御に関する国際ワークショップ,9月には札幌でISO/TC 71の総会,10月には米国カリフォルニア州アナハイムでACI-JCIジョイントセミナーが開催されます。

 本学会の新たな活動として,三橋前会長の主導の下で「イメージアップ広報戦略検討委員会」が立ち上がりました。もの言わぬコンクリートから魅力的なコンクリートに変わり,社会に適切に評価して頂けるよう期待が膨らみます。

丸山会長img 本年も学会としていろいろなことに積極的に取り組み,皆様のご期待に沿いたいと思っております。ご支援・ご協力の程よろしくお願いいたします。

まるやま・きゅういち
長岡技術科学大学 名誉教授

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