データベースを核とした
コンクリート構造物の品質確保に関する研究委員会
JCI-TC114A
 
委員会設立主旨

 実構造物から得るデータベースを、初期ひび割れの抑制、打込み後の表層品質の向上、補修の効果の検証などに活用するシステム構築を議論する。山口県が産官学の協働の研究の中で開発し、平成19年度から運用を開始したひび割れ抑制システムは、実構造物を施工するときの打設管理記録が蓄積されたデータベースを活用したひび割れ抑制のためのシステムであり、その効果は非常に大きい。本研究委員会では、そのシステムを高度化するための議論を行い、その上で、各種規準類へのフィードバックを検討し、全国各地域の自治体・発注機関に展開していくために必要な、技術的な課題と制度面での課題を抽出する。
 実構造物のデータベースを核としたマネジメントシステムは、初期ひび割れ抑制だけでなく、表層品質の向上や維持管理においても有効と考えており、データベースの構築方法と活用方法について議論する。


 
 
活動計画

 3つのWGを構成して、各WGに主査と幹事を選出して、WG活動を活発に展開していく予定である。JCIの中国支部に平成23年度より設立された委員会「打設管理記録に基づくコンクリート構造物品質確保手法の中国地方への展開(田村隆弘委員長)」の活動とも綿密に連携を取りながら活動を進めていく。

 WG1(データベースの高度化)は、JCI中国支部の委員会と連携を取りながら、他の自治体、発注機関への展開やデータベースの構築・活用方法について議論を行う。
 WG2(データベースに基づく維持管理)では、実構造物から得られるデータを有効に活用した維持管理システムを構築すべく、各地域から先駆的な取組みをしている発注者や若手・中堅の研究者により議論を行う。
 WG3(データベースの活用)においては、山口県のデータベースを参考にして温度ひび割れの照査方法の改善や、温度ひび割れの最大ひび割れ幅の予測式の高精度化、建築分野におけるデータベースとシミュレーション技術を活用したひび割れ抑制のシステムの提案、山口県の構造物の表層品質調査など、データベースに基づく技術的な議論を展開して各種規準類等への具体的なフィードバックを目指す。


(c)データベースを核としたコンクリート構造物の品質確保に関する研究委員会