コンクリート工学年次大会2012(広島)日程/2012.7.4〜7.6  会場/広島国際会議場
実行委員長の挨拶

 JCI年次大会(広島)へのお誘い

コンクリート工学年次大会2012(広島)
実行委員長 佐藤良一 (広島大学)


 コンクリート工学年次大会2012(広島)は「復興の礎 コンクリート」をキャッチコピーに7月4日(水)〜6日(金)の3日間広島市で開催いたします。このキャッチコピーには、昨年3月11日東日本に起こった未曾有の大地震・大津波により甚大な被害を受けた数々の町、鉄道・道路・港湾などのインフラのいち早い復旧に「コンクリート」界挙げて役立ちたいとの思いが込められています。この震災においては、幸いにも、コンクリート構造物躯体に大きな被害はなく、また阪神淡路大震災の被害を教訓として耐震補強された構造物にはほとんど損傷は生じませんでした。しかし、千年に一度ともいわれる大津波により、大型の防波堤の破壊やコンクリート構造物であっても上部工が流されるという思いもかけない「破壊?」が起こりました。私どもコンクリートの技術者、研究者は、このことに正面から向き合い、国民に喜ばれる新しい技術の創造に邁進する必要があります。 
  年次大会は、17年前の平成7年(1995年)の会場でありました平和公園に隣接する国際会議場で開催いたします。会場は、路面電車ご利用の場合広島駅南口から25分(宮島口A、江波Eの原爆ドーム前あるいは広島港@の袋町で下車いずれも会場まで徒歩10分)、路線バスご利用の場合広島駅南口から20分(24号線、吉島営業所または吉島病院行の平和記念公園で下車)、広島空港からのリムジンバスご利用の場合広島空港から70分(終点の広島バスセンターで下車、徒歩10分)の位置にあります。
  第34回コンクリート工学講演会では、8つの会場で、約560件の論文・報告が発表される予定です。毎年のことですが、新たに参加した若手研究者・技術者の発表は新鮮でかつ真剣そのもので、次代のコンクリート界の発展を約束するものと感じさせるものです。経験豊富な研究者、技術者の方々には厳しくも示唆に富んだご質問を切にお願いする次第です。
  コンクリートテクノプラザ2012では、「コンクリートの底力“テクノプラザ”」をキャッチコピーに、56の企業・団体からの新技術の展示・解説に加えて、技術紹介セッションで最新技術の紹介が行われます。このプラザで展示された新技術については、来賓および実行委員を務めていただく事業者による講評を頂く予定です。
  生コンセミナーでは、良質の生コンは生コン従事者の意欲、やりがいから生まれるとの認識に立ち、「やりがいのある生コンに向けて」をテーマに、生コン従事者、施工者、事業者、学識経験者がパネラーとして、それぞれの立場から議論していただく予定です。
  特別講演会では、政府の中央防災会議の座長を務めておられる関西大学学部長の河田惠昭先生に「東日本大震災の経験を生かした減災対策」をご講演いただく予定です。このご講演ではコンクリート界への要望も併せてお話いただくようお願いしています。本特別講演会に先立ちJCIに設置されました東日本大震災に関する特別委員会の報告会も行う予定です。
  見学会は「山口県における良質なコンクリートの製造現場の最前線−材料から施工まで−」と「広島における歴史的コンクリート系建物と現代建築物の共存」の2つのコースを計画しています。
  「天災は忘れた頃にやってくる」というかの名言があります。東日本大震災もそうかもしれません。本年次大会を契機に、コンクリート関係者は、官・民・学を問わず、「天災は忘れた頃にやってくる」を忘れることなく、国民を守る社会基盤の整備に尽力することを再度誓いたいものです。
  中国地方には、最近富に有名になりました宮島をはじめ、多くの文化遺産、土木・建築遺産がございます(これらはJCI HPで掲載する予定です)。我が国初の民営セメント工場の発祥の地でもあります。都合のつかれる参加者の方々には、ぜひ足を延ばして思い出深い大会にしていただくことを切に願っております。