|
電子情報化委員会から情報コミュニケーション委員会へ |
|
電子情報化委員会では,2014年度までに実施してきた本学会全体に関わる情報の電子化の推進状況
ならびに今後の情報技術の有効活用に関する議論を整理しました。特に,近年は以下の活動に取り組んできました。
・メールニュース配信
・会員専用ページの構築とその有効利用についての検討
・JCIホームページの意義と運営方法に関する議論
・電子会議システムに関する議論
・年次大会向け査読投稿システムの確認
・年次大会用のアプリおよびDVDに関する確認
上記のように,すでに本学会全体に関わる情報の電子化はほぼ当初の目的を達成しており,
次なる課題として,更なる社会ニーズに対応できるよう,本学会ホームページおよび
メールニュースなどのITを活用した情報発信の活性化について議論されるようになってきました。
このような状況から,次なる課題に取り組む新委員会として「情報コミュニケーション委員会」を
設置し,そちらに大部分の事業を移すとともに,情報の電子化に関する本委員会の事業を縮小させることにしました。
本年度以降,電子情報化委員会の活動は,本学会事務局の要請に基づき,情報の電子化に関するサポートが中心となる予定です。
最後に,電子情報化の活動において,様々なアンケート等を実施し,本会会員あるいはコンクリート工学に関わる
多くの皆様のご協力を賜りました。本学会ホームページのリニューアルやメールニュースの配信などの成果を残すことが
できましたのも,様々な形でご協力いただいた皆様のおかげです。本当にありがとうございました。
|
|
|
|
電子情報化委員会のあゆみ |
|
本会は、1996年にJCIホームページを作成して公開したが、急速な電子情報化社会に対応するため、
2002年に電子情報化委員会を設置し、日常業務を含めた電子化について検討を開始した。
その結果、2002年につくばで開催したコンクリート工学年次大会より、WEBから論文投稿を行うようにし、
また年次論文集を印刷版からCD-ROM版に変更して事務処理の効率化を図った。
さらに、翌2003年の大会論文からは、論文査読システムの構築によりすべての投稿論文の査読をWEBで行えるようにした。
また、過去の研究情報の電子化により、年次論文集の第1巻から全ての論文をホームページ上で検索できるようにした。
2005年9月からはメールニュースを毎月発行し、本部や支部の催しの紹介やコンクリート工学誌の内容紹介を行うようにした。
2012年には会員専用ページを立ち上げ、翌2013年からは会誌、論文集と論文集の閲覧や報告会の動画の視聴ができるようにしている。
2013年に名古屋で開催したコンクリート工学年次大会より大会アプリを公開し、発表論文の電子閲覧や大会の模様の電子配信などを行っている。
この時期より定期的なJCIホームページの更新に向け新たな組織づくりを企画し、
2015年に設置された「情報コミュニケーション委員会」にホームページに関わる所管を移行し、
電子情報化委員会は本部の電子情報化に関わる支援組織として不定期な委員会へと改組した。
|
|
|
|
電子情報化委員会の活動 |
|
|
 |
|
電子情報化委員会は2002年度に発足して以来,母体である電子化部会の活動を引継ぎながら,上図に示すようなJCIの様々な活動にまで電子情報化の検討対象を広げ,積極的に電子化に取り組んでいます。 |
|
|
|
JCIの活動の電子情報化 |
野口 博 (電子情報化委員会委員長) |
コンクリート工学,Vol.43,No.9,pp.73-75,2005.9 |
|
1. 目的と経緯 |
電子情報化の意義については、文書の省スペースでの保存、様々な電子検索への対応、インターネットを利用しての情報発信、効率化・省力化等が挙げられる。 |
|
JCI活動の電子情報化のための第1ステップとして、年次大会の学術講演会の論文の電子投稿システムを構築・運用することを目的として、2001年に年次大会2002(つくば)実行委員会(委員長:山本泰彦・筑波大学教授)に電子化部会(部会長:丸山久一・長岡技術科学大学教授)が設置された。委員の構成については、2002年度に発足した電子情報化委員会(委員長:丸山久一教授、2003年度からは、野口
博・千葉大学教授)の下記のURLのホームページに掲載されている。
http://www.jci-web.jp/denshi/ |
|
2. 電子化部会の活動(2001年度〜2002年度) |
この電子化部会の活動内容は、
・電子申し込み・電子投稿実施の具体的作業に係わる検討
・電子化に伴い、他部会に関連する事項の連携作業
・2002年(つくば)に限定せず、電子化に係わる将来計画
であった。 |
|
論文投稿システムの電子化については土木学会で既に行われており、参考にする所が多くあった。電子投稿システムのソフト開発関連としてのサーバーの管理、運営、問い合わせ窓口、大会用ホームページの開設、プログラム編成用資料の作成、投稿論文を収めたCD-ROMの作成などは、アウトソーシングとしての外注することで、事務局などの作業量の低減化を図り、電子化部会ではフレームを決める作業が中心となった。 |
|
電子化部会では、特に論文を紙の媒体からCD-ROMに変更する意義を明確にするとともに、そのメリットを様々な方法で有効に活用する必要があることが審議された。 |
|
2002年のつくば大会では、年次論文集などの電子化に向けて、次のような様々な新しい試みが検討され、導入された。
・ インターネットを利用した電子申し込み
・ 紙面での査読原稿の投稿
・ インターネットを利用した最終原稿の電子投稿
・ CD-ROMとしてのコンクリート工学年次論文集第24巻の発刊
・ 論文のタイトル、キーワード、著者等による検索システムの導入
・ つくば大会へのインターネットを利用した電子申し込みによる参加 |
|
CD-ROMとしてのコンクリート工学年次論文集第24巻のデザインを図-1に示す。CD-ROMケースの裏表紙には、年次大会のポスター・デザインが印刷され、図-2のa)〜d)に示すように、2002年つくば大会の「四六(しろく)のがま」、2003年京都大会の「はんなりコンクリート」、2004年高知大会の「コンクリート維新」、2005年名古屋大会の「文化を創るコンクリートU」などと、ポスターのイメージから、各大会の個性を思い出せる形となっていることにも意義がある。 |
|

図−1 CD−ROMとしてのコンクリート工学年次論文集
第24巻(2002年つくば大会)のデザイン |

a) 2002年つくば大会の「四六(しろく)のがま」
正式には「エコロジー@コンクリート.2002」 |

c) 2004年高知大会の「コンクリート維新」
|

b) 2003年京都大会の「はんなりコンクリート」
|

d) 2005年名古屋大会の
「文化を創るコンクリートU」 |
図−2 CD-ROMケースの裏表紙 (年次大会のポスターデザインが印刷されている) |
|
年次大会の電子化に対する、つくば大会でのアンケート結果は、コンクリート工学誌2002年10月号でも紹介されたが、CD-ROM版論文集の継続に、約80%の賛成が得られたが、検索機能の改善の必要が指摘された。Web上での参加登録や原稿提出も便利だったという回答がそれぞれ、73%、78%に達し、PDF形式の採用も86%の賛成が得られた。
(http://www.jci-web.jp/denshi/bukaiwork.html にてアンケート結果を公開しています。) |
|
その後の検討課題として、ペーパーレスの論文査読システムと論文ファイルのダウンロードと課金システムの構築が挙げられた。 |
|
査読委員会による大会論文の査読システムについても、インターネットの利用により、査読委員のデータベースによる効率化、査読の電子化等により、効率化、省力化が図られた。 |
|
3. 電子化情報化委員会の活動(2002年度から) |
3.1 2002年度の活動 |
2002年9月から発足した電子情報化委員会では、
・ 年次大会の電子化のサポート
・ 京都大会で稼働する査読システムの完成
・ JCIの様々な活動の電子化(過去の文献の電子化、課金システムなど)
・ ACIとのリンク(出版物の相互購入など)
などから取り組み、年次大会の論文集のCDROM化、論文の投稿、査読システムのWeb化などを達成し、当初の目的はほぼ達成した段階にある。 |
|
3.2 2003年度の活動 |
3.2.1 メールニュース |
2003年度からは、JCI活動の電子情報化の検討対象を広げ、JCIのホームページの充実化、コンクリート工学誌の電子化、研究委員会等の委員会活動でのホームページの活用と研究成果の電子化に向けての課題等の検討に取り組んできた。 |
|
コンクリート工学の日常的な変化を会員に伝えるためには、紙媒体の会誌に加えて、ホームページが受け身的な立場なのを鑑みて、ホームページの更新状況も迅速に情報発信してHPへの閲覧の機会を増やしていくためにも、会員に新しい情報の存在を伝える手段として、メールニュースを9月号から実施する予定である。 |
|
メールニュースの意義・特徴・注意点としては、次のことが考えられる。
・ HPなどを見に行くための新情報紹介ツール
・ コンクリート工学誌も発行後に、目次をあらためて紹介して閲覧の再確認を促すメリットあり。
・ JCI会告の電子版(一画面で内容がわかるように、HPへのハイパーリンク使用)
・ 出来る限りコンパクトなものに(概要をトップ一画面に、詳細は、その後に項目を並べ、詳細はハイパーリンクで別のWebサイトで閲覧する形とするなど。)
・ JCIの諸活動状況を速報的に伝える役目
・ 身近になってきたメールによりJCIの活動を会員に伝える。(このことは、JCIの様々な活動情報を 電子化していく先駆けにもなる。例えば、コンクリート工学誌、委員会活動、HPの充実化など)
・ 分野別のアドレス管理も有用。(シンポジウム等のPRや委員会活動の呼びかけなどに)
・ 1ヶ月に1回程度、継続的にメールニュースを運用できるように、無理のない運営・管理を心がける。
・ このようにメールニュースは、会員への日常的な情報発信として有用なことから、情報の継続的なソースの確保と情報の内容や保護に慎重な運営・管理に留意して、積極的に実施したい。 |
|
メールニュースの発行は毎月、時期は、コンクリート工学誌発行から2週間後程度とし、メールニュースは、JCIの事務局と電子情報化委員が担当して運営していく。 |
|
3.2.2 研究委員会のホームページ |
研究委員会に関しては、
・ 現状では、委員会組織や委員会議事録、資料等がWebに掲載されていない専門委員会が多い。
・ 東京での開催が多いので、地方の会員は出席が難しいシンポジウムなどの開催内容や研究成果の一部をWeb上で紹介できると有意義である。(今は、5−6行で活動目的と活動内容を記載)
・ 成果の電子ファイルを保存だけでなく、活用法を考えるべき。(検索や有料DL等)
・ 英文の情報もあるとよい。
などの議論があり、電子情報化委員会としては、研究委員会専門委員会の活動内容のWebでの紹介の促進を図る目的で、委員会活動紹介に特化した標準形式(ひな形、テンプレート)のホームページ(HP)の作成を試みた。 |
|
研究委員会には、専門委員会活動内容の標準ホームページへの掲載をお願いしている。研究専門委員会のホームページの更新状況などを、9月から開始するメールニュースで紹介できれば、ホームページへの閲覧者も増やせるのではないかと期待している。 |
|
ちなみに、電子情報化委員会も下記のURLのホームページで活動状況の紹介を行っている。
http://www.jci-web.jp/denshi/ |
|
3.2.3 JCIホームページの改善やリソースのディジタル化 |
JCIのWebサイトとしてのホームページは、事務局を中心に運営管理されているが、JCIの広範囲の社会的活動を総合的にバランスよく紹介する観点からは、必ずしも一貫した考え方に沿った設計がなされていない感がある。今後、各項目の必要性の吟味や整理を行うとともに、コンクリート工学の興味深い情報の蓄積と広報が必要である。
・ 統一感とバランス
・ コンクリート工学の成果のグラフィックス紹介のページなど:最近のコンクリート構造物、歴史的構造物など
・ メインテナンスと担当組織のあり方(専任事務+アウトソーシング、ホームページ委員会もしくは電子情報化委員会)
・ 連絡システム(ソースの収集方法) |
|
コンクリート工学誌のディジタル化とその活用については、
・ 表紙などの写真や一部の内容をWebに掲載しても良いのでは。優れた写真やグラフィックスをコンクリート工学誌に1回限りの紹介に終わるのはもったいないとの指摘もあり。
・ バックナンバーの記事の検索もできると有用である。(バックナンバーのディジタル化)
・ 1年分のCDROM化も有用。
などの提案がある。 |
|
4. むすび |
2001年度からの電子部会や電子情報化委員会の活動から、年次大会の電子化、論文査読システムの電子化、メールニュース、研究委員会のホームページ等への活動成果を紹介した。 |
|
JCIでは、40周年記念事業の中で、JCIの基本情報の電子化が行われた。今後、この基本情報の電子データの活用法を検討していくことが課題である。また、過去の研究情報の電子化により、年次論文集の第1巻から全ての論文をホームページ上で検索できるようになったが、CD-ROM版としての最近の論文の有料ダウンロードなど、論文検索活用の充実化も課題である。 |
|
今後、JCIのホームページのあり方、JCIの様々なリソースの電子化など、JCIの事務活動以外の様々な活動について、出来る範囲から電子情報化して、それらの活動が日常的に会員に見える形にしていきたいと考えている。 |
|