2022年新春にあたって

会長 二羽淳一郎

新年明けましておめでとうございます。本学会会員の皆様にとりまして、本年が良い年となることを祈念いたします。

2年前から続く新型コロナウイルス(COVID-19)の問題は新しい変異株が出現するなど、相変わらず予断を許さない状況です。しかし、昨年8月頃から上昇傾向を見せていた感染者数の第5波が、ワクチン接種率の高まりとともに次第に収束に向かったことは、本当に喜ばしい限りです。また経口抗ウイルス薬開発のニュースもあり、一刻も早い実用化が期待されます。

さて、10月にはプリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎博士がノーベル物理学賞を受賞するといううれしいニュースがありました。1960年代からマクロ的な地球全体の気候モデルの開発に取り組み、1980年代にすでに数値的に地球温暖化を予測されていたことはまさに驚異と言えます。現在では当たり前の数値計算を、当時の限られた計算機資源を用いて実行し、事象を予測したというところに大きな価値があるものと思います。地球温暖化に対抗する低炭素、脱炭素の方向性は、2050年にカーボンニュートラルという政府の方針が打ち出されましたが、コンクリート分野でもこれに真剣に取り組んでいくことが求められます。セメント、生コン、設計、施工、製品の各業界、各分野がカーボンニュートラルに向けて真剣に協調する時代になってきたということだと思います。さらに、コンクリート分野においては、従来からの枠組みを超えた異分野との連携を含めた新技術に向けた継続的な研究開発と、それらの技術の実証や適用が一層重要となってくるものと思われます。JCIの各種委員会でもこの方向に向けての活動が今後さらに活発なものとなっていくことを期待しております。

コロナ禍に対処するために完全オンライン形式で開催されたコンクリート工学年次大会2021(名古屋)では、バーチャルテクノプラザも行われ、好評を博しました。ご尽力いただいた実行委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。年次大会2022(千葉)は幕張メッセで開催すべく現在準備が進められておりますが、実行委員会では対面式で行うことを強く希望しております。その方向で開催できることを願っております。

JCIとして重要な認定資格制度であるコンクリート診断士試験、ならびにコンクリート技士・主任技士試験ですが、前年同様、開催にあたって感染防止に万全の注意を払ったうえで、それぞれ10月末と11月末に予定通り実施することができました。試験実施に際してご協力いただいた担当の委員会ならびに関係の皆様に、衷心より御礼申し上げます。

今年も厳しい状況が続きます。ただし、前年とは異なり、近い将来には明るさが感じられます。まだしばらく続くこの困難に、力を合わせて対処していきたいと思います。会員の皆様の力強いご支援と変わらぬご協力をお願いいたします。

にわ・じゅんいちろう
東京工業大学 名誉教授

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