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鉄筋コンクリート構造物の性能評価型耐震設計法の日米比較
(コンクリート構造物の性能評価型耐震設計法の
日米比較に関する研究委員会報告書)

A4判・233ページ(2025年刊行)
定価6,600円(税込)/会員価格5,940円(税込)

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米国では、非線形時刻歴地震応答解析を用いる耐震設計を実務で取り扱えるようにするために、2000年代初頭より建築構造の設計基準の改定が始められ、それらを補完するためにコンクリート構造物の各種の技術資料と実務設計者向けの解説書が次々と公開されていきました。2020年代には全米で取り扱えるように完備された基準として成熟し、現在もさらなる発展を遂げています。これに対して、我が国における建築構造物への非線形地震応答解析の実務への活用ははるかに古く、1960年代より質点系モデルを採用して独自の発展を遂げ、1990年代には建設省総合技術開発プロジェクトにより鉄筋コンクリート造への拡張方法が示され、二方向純ラーメン鉄筋コンクリート構造の超高層住宅のブームを先導しました。しかしコンピューターの性能が飛躍的発展を遂げた2000年代以降は、長周期地震動が考慮されるようになった以外に技術的な革新や変更がなく、日米で大きな違いが生じているのが現状です。
そこで、2023年に建築・土木構造における実務での非線形時刻歴地震応答解析の用いられ方や基準および関連技術資料などについて、日米の相違点や共通点を比較検討することを目的として「コンクリート構造物の性能評価型耐震設計法の日米比較に関する研究委員会」(委員長:塩原等・東京大学名誉教授)を設置し、その活動の成果を報告書に取りまとめました。米国コンクリート工学会(ACI)ACI 374委員会と本委員会が非線形時刻歴応答解析による耐震設計法を適用した10層鉄筋コンクリート造建物の試設計例を持ち寄り、その結果を比較検討した内容についても詳しく報告しています。日米の構造設計のフィロソフィーの違いや、将来の課題を俯瞰的に理解するための資料としていただければ幸いです。

【目次】(一部省略)

1 非線形時刻歴地震応答解析を用いるRC構造物の米国の性能型耐震設計の現状
1.1 はじめに
1.2 現行の米国の構造設計基準の体系
1.2.1 IBCモデルコード
1.2.2 IEBCモデルコード
1.3 米国の建築物の耐震設計基準の変遷
1.3.1 耐震設計のあけぼの(1850ごろ~1930ごろ)
1.3.2 耐震設計基準の制定(1930ごろ~1960ごろ)
1.3.3 耐震設計の義務付け(1960ごろ~1970ごろ)
1.3.4 耐震設計法の発展(1970ごろ〜1980ごろ)
1.3.5 耐震設計基準の統一化に向けた準備(1980ごろ~2000ごろ)
1.3.6 モデルコードの統合(2000~2010ごろ)
1.3.7 ASCE 7の耐震規定の追加(2000ごろ~)
1.3.8 ASCE 41の耐震診断・耐震補強基準の制定(2000ごろ~)
1.4 米国の新築建物の耐震設計基準と非線形時刻歴地震応答解析
1.4.1 リスクカテゴリー
1.4.2 地震ハザードマップと設計地震動スペクトル
1.4.3 耐震構造計算の種類
1.4.4 耐震設計カテゴリー
1.4.5 耐震構造システム
1.4.6 設計用修正係数
1.4.7 非線形時刻歴応答解析法の入力地震動時刻歴
1.4.8 層間変形角の制限
1.4.9 構造物種別ごとの部材の力学特性と構造ディテール
1.4.10 その他の技術資料
1.5 非線形時刻歴応答解析法による性能型耐震設計の実用化
1.5.1 LATBSDCのガイドライン
1.5.2 TBIのガイドライン
1.6 確率論を取り入れた耐震性能表示法の実用化
1.6.1 Vision 2000
1.6.2 ATC-58プロジェクトとFEMA-P58
1.6.3 性能計量の確率的表現
1.6.4 入力地震動の設定
1.6.5 構造要素・非構造要素の性能ライブラリー
1.6.6 地震応答解析
1.6.7 モンテカルロ法による性能計量値の計算
1.6.8 性能計量値の実務への活用
1.7 橋梁の耐震設計における非線形時刻歴地震応答解析の利用
2 日米の方法によるRC10層建物の非線形時刻歴応答解析による耐震設計の比較
2.1 全体概要
2.2 日本側の試設計
2.2.1 試設計の方針
2.2.2 建物の諸元
2.2.3 耐震設計
2.2.4 レベル1地震動に対する検証方法
2.2.5 レベル1の最大応答層間変形角と層せん断力の計算結果
2.2.6 レベル1の静的漸増載荷非線形解析結果と部材応力の計算結果
2.2.7 レベル2地震動に対する検証方法
2.2.8 レベル2の最大応答層間変形角と層せん断力
2.2.9 レベル2の最大層塑性率
2.2.10 レベル2の部材の最大応答塑性率
2.2.11 レベル2の崩壊機構の確認結果
2.2.12 レベル2の柱の応力の余裕度の確認
2.2.13 レベル2の梁の応力の余裕度の確認
2.2.14 レベル2の耐震壁の応力の余裕度の確認
2.2.15 レベル2の斜め45度方向の入力に対する隅柱の安全性の確認結果
2.2.16 静的漸増解析における部材の剛性のモデル化に関する補足
2.2.17 静的漸増解析における部材の終局強度と変形能力のモデル化
2.2.18 構造規定
2.2.19 常時荷重に対する設計と暴風・積雪時の設計に関する補足
2.2.20 追加検討
2.3 米国側の試設計
性能評価型解析を用いた日米の耐震設計の比較:米国の構造形式による構造設計(Draft)
第1章:はじめに
第2章:設計の基礎
第3章:線形解析
第4章:非線形解析
第5章:壁の設計
2.4 日米ワークショップの質疑応答討議の内容
2.5 まとめ
3 橋梁についての実務の米国の現状と日本の現状
3.1 橋梁設計における入力地震動の選択と適切な倍率の設定
3.2 適用範囲と自由度・モデル化
3.2.1 動的解析を適用する橋梁
3.2.2 橋のモデル化
3.3 地震応答量や崩壊モードの不確定性
3.4 性能の表現と設計における構造条件との連携
3.5 橋梁における動的解析の対象となる設計振動単位と塑性化を期待する部位の設定
3.6 設計の品質管理
3.6.1 第三者構造設計評価(第三者照査)
3.6.2 審査体制
3.7 解析ソフトウエア
3.7.1 日本で橋梁の耐震設計に使用されている解析ソフトウエア
3.7.2 解析ソフトウエアの使用例
3.8 ベースアイソレーション,ダンパー
3.8.1 道路橋におけるベースアイソレーション,ダンパー
3.8.2 解析ソフトウエアでの免震支承の入力例
3.9 耐震補強
3.9.1 既設橋脚の耐震補強の概要
3.9.2 解析ソフトウエアでの入力例
4 建築物についての実務の米国の現状と日本の現状
4.1 設計のクライテリアと荷重
4.1.1 構造物の設計における各種クライテリア
4.1.2 入力地震動の設定
4.2 適用範囲と自由度・モデル化
4.2.1 適用範囲
4.2.2 自由度・モデル化
4.2.3 日米比較と課題
4.3 地震応答量や崩壊モードの不確定性
4.3.1 米国での考え方
4.3.2 日本での考え方
4.4 性能表示との連携
4.4.1 ASCE 7基準における耐震性能の扱い
4.4.2 FEMA P-58における倒壊限界性能曲線
4.4.3 REDiによるダウンタイム目標
4.4.4 品確法における耐震等級
4.4.5 性能表示の今後について
4.4.6 日米比較と課題
4.5 機構設計と保証設計
4.5.1 変位制御作用・強度制御作用と部材のモデル化
4.5.2 LATBSDCの指針による機構設計と保証設計の設計のクライテリア
4.5.3 日本の機構設計と保証設計
4.6 モデル化と構造実験の取り扱い
4.6.1 モデル化の一般
4.6.2 構造実験結果に基づくモデル化
4.6.3 日米比較と課題
4.7 設計の品質管理
4.7.1 日本における非線形時刻歴応答解析を用いた設計の品質管理
4.7.2 米国における非線形時刻歴応答解析関連の規準
4.7.3 米国西海岸でのガイドライン
4.7.4 日米比較と課題
4.8 解析ソフトウエア
4.8.1 米国における構造解析プログラムの現状
4.8.2 米国における構造解析プログラムの使用例
4.9 免震・制振
4.9.1 免震・制振の指針
4.9.2 地震絶縁構造
4.9.3 減衰デバイス付加構造
4.10 耐震補強
4.10.1 耐震補強の指針
4.10.2 性能目標と地震ハザード
4.10.3 耐震評価および耐震改修要件
4.10.4 TIER1 スクリーニング
4.10.5 TIER2 欠陥に基づく評価と改修手順
4.10.6 TIER3 体系的評価と改修手順
4.10.7 解析手順と許容基準
5 日米比較とそこから考えられる将来に向けての課題
5.1 はじめに
5.2 工学における一様安全性の原則
5.3 構造設計者の説明責任
5.4 耐震性能評価における客観性
5.5 非線形時刻歴応答解析を用いる性能型耐震設計における説明責任
5.6 構造設計基準が社会において果たす役割
5.7 基準策定に参画する米国の構造設計者
5.8 技術の透明性の重要性

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