日本コンクリート工学会

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会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.61, No.6
2023年6月号

目次

巻頭言
コンクリートって研究するのか?
橋本親典
TOPICS
角島大橋を未来につなぐ
正木啓一・中山賢司
解説
日本水道協会「水道施設耐震工法指針・解説2022」改訂の概要
成田健太郎・福山正彦・岩本進太郎・田村聡志
概要:
日本水道協会では、水道施設の耐震性の向上に資するため、「水道施設耐震工法指針・解説」を出版しており、今日全国の多くの水道関係者に活用いただいている。今回の改訂にあたっては、2011年東北地方太平洋沖地震をはじめ、数多くの地震等から得られた知見や教訓を踏まえ、(1)要求性能の定義、(2)危機耐性の導入、(3)性能規定型設計の徹底、(4)合理的な解析手法の選定の、四つの方針を主軸とし内容を充実させた。本稿では、水道施設における地震対策(耐震化対策)の標準的な考え方や耐震設計の基本方針、池状コンクリート構造物等の耐震計算と性能照査について概説する。
キーワード:
要求性能、危機耐性、性能設計、池状コンクリート構造物、動的解析、構造物-地盤連成系、非線形解析
日本建築学会「建築物の耐久設計支援ガイドブック」の概要
鹿毛忠継・本橋健司
概要:
日本建築学会「耐久・保全運営委員会」では、2022年に「建築物の耐久設計支援ガイドブック」を刊行した。本書は、従来検討してきた建築物の耐久性に関する基本的な考え方や耐久設計の方法について、最新の動向や情報を追補するとともに、耐久設計の標準化の経緯などを記録している。具体的には、建築物等に対する各種の耐用年数の設定方法および推定方法、リファレンスサービスライフの設定方法、ならびにLCCやBIMとの関連についても記述し、最後には建築物等の保全基準と耐久設計への保全技術・情報の活用方法について述べている。今後、本書が活用され、建築物の耐久設計の推進に資することを期待している。
キーワード:
建築物、耐久設計、耐用年数、リファレンスサービスライフ、LCC・BIM、ISO 15686シリーズ、Factor Method
テクニカルレポート
革新的カーボンネガティブコンクリートの材料・施工技術及び品質評価技術の開発 —CUCO-Carbon Utilized COncrete—
取違剛・森泰一郎・小島正朗
概要:
2050年カーボンニュートラル社会実現という野心的な目標達成のための技術開発として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にグリーンイノベーション基金が造成された。同基金事業として、コンクリート・セメント分野に「CO2を用いたコンクリート等製造技術の開発」が掲げられ、筆者らの所属する3社を幹事会社とする「革新的カーボンネガティブ(CN)コンクリートの材料・施工技術及び品質評価技術の開発」が採択された。本稿では、同技術開発の方向性、構成技術の概要、開発状況および開発推進体制について紹介する。
キーワード:
グリーンイノベーション、CUCO、CO2、カーボンニュートラル
工事・プロジェクト記録
寒冷地における嵩上げコンクリートダム—北海道・新桂沢ダム—
渡部貴裕・大吉雄人・稲垣達弘・佐々木晋
概要:
新桂沢ダム堤体建設工事は、幾春別川総合開発事業の一環として、1957年に建設された北海道初の多目的ダムである桂沢ダムを、ダム軸を同じくして11.9m嵩上げする工事である。嵩上げすることにより貯水池の総貯水容量が約1.6倍となる効率の良いダム再開発である。直轄ダムでは初となる同軸嵩上げを、冬期の5カ月が施工休止となる北海道において約2年(冬期休止期間を除くと約15か月)で施工した。本稿では、寒冷地で建設した新桂沢ダムの堤体コンクリートにおける材料の技術的課題とその対策、および施工実績について報告する。
キーワード:
コンクリートダム、嵩上げダム、凍結融解抵抗性、温度応力
大規模スタジアム建設におけるコンクリート躯体の設計—エスコンフィールドHOKKAIDO—
竹中秀文・柏俣明子・田中嘉一・乾智洋・齋藤元嗣
概要:
今年竣工した大スパンの開閉式鉄骨屋根を有する「エスコンフィールドHOKKAIDO」では、大空間を覆う屋根を支える架構や、スタンド躯体、観客席の段床など多くのコンクリート部材を使用しており、設計の初期段階から施工性にも配慮しつつ様々な工夫を凝らして計画を行っている。昨年11月号では施工側の観点からの報告を行ったが、本稿では構造設計の観点から報告する。
キーワード:
大断面架構、プレキャストコンクリート、環境配慮型コンクリート、PCa段床
バタフライウェブを用いた2面吊りエクストラドーズド橋—新東名高速道路 中津川橋(仮称)—
田中伊純・蛯沢佑紀・中積健一・小平健太
概要:
中津川橋は、トンネルに挟まれた急峻な渓谷において、断層破砕帯が広範囲に分布した地盤条件への対応や、懸念される断層変位時に致命的な損傷を受けないことを命題として計画したPC3径間連続エクストラドーズド橋である。主塔にはハーフプレキャスト構造を採用し、新たな斜材定着構造を開発・適用している。支間バランスの悪さに対応するため、中央径間のみにバタフライウェブを採用した。本橋の支点付近に配置した大型のバタフライウェブは、輸送制限からパネルを分割して製作し、現地にてポストテンションPC鋼材を緊張して連結する前例のない構造を採用するなど、種々の取組みを行った。本稿では、設計および施工の一連の取組みについて報告する。
キーワード:
エクストラドーズド、バタフライウェブ、主塔定着構造、複合構造、小判形鋼板
講座
土木コンクリート構造物の表面処理工法による補修 まえがき
古賀裕久
土木コンクリート構造物の表面処理工法による補修 (1)表面処理工法の概要
古賀裕久
情報発信
キング・オブ・コンクリート2022の開催
高橋佑弥・右田周平・澤口香織・小松怜史・柴山淳
(一社)日本コンクリート診断士会(JCD) 2022年度保有技術および業務体験発表会「2022東海大会」の報告
古川博人
レビュー論文(文献調査委員会)
コンクリート基礎面の滑りによる地震入力低減に着目した建物に関する国内外の研究事例
波田雅也
随筆
私とコンクリート
吉村武
海外だより
オークランド大学滞在記—日本と違って良いところ、悪いところ—
三浦耕太
さろん
100年前の本
二宮純
コンクリート技士のページ
技術者として成長するために
江島拓哉
コンクリート技士の資格を取得して
奥迫隆史
コンクリート診断士のページ
コンクリート診断士の取得を目指すことで
井上正明
コンクリート構造物への想い
阿部雅史
我が職場
充実した土木学生ライフのために 明石工業高等専門学校 都市システム工学科
生田麻実
安心・安全な社会の実現を目指して!ベルテクス(株)
岡井貴洋

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