日本コンクリート工学会

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会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.61, No.8
2023年8月号

目次

巻頭言
ムンバイ~アーメダバード間 インド高速鉄道の現況
津吉毅
TOPICS
徳島自動車道 別埜谷橋
筒井将仁・藤岡泰輔
解説
日本非破壊検査協会 NDIS 3439「コンクリートからの小径コア採取方法及び小径コア供試体を用いた圧縮強度試験方法」の概要
佐藤文則・野中英・湯浅昇
概要:
近年のコンクリート構造物では、配筋が高密度になる傾向があり、粗骨材の最大寸法3倍以上の径のコアを実構造物から採取することが困難となっている。このような背景から、JIS A 1107では適用外となる粗骨材の最大寸法の3倍に満たない径のコアにより構造体コンクリートの強度推定が行われるようになってきた。構造体コンクリート強度推定方法の一方法として、2022年11月に(一社)日本非破壊検査協会規格 NDIS 3439「コンクリートからの小径コア採取方法及び小径コア供試体を用いた圧縮強度試験方法」が制定された。規格制定までに検討された内容や、規格の概要を紹介する。
キーワード:
構造体コンクリート、圧縮強度、小径コア供試体、供試体の直径、球面座、養生方法
テクニカルレポート
構造設計への反映を想定した鋼繊維補強コンクリートの靭性能の評価に関する検討
渡邉悟士・今井和正・高橋智也・黒岩秀介
概要:
両端にフック形状を有する鋼繊維の体積混入率が0.5~1.0%の鋼繊維補強コンクリートの優れた靭性能を設計に反映させることを想定して、材料特性としての引張靭性の定量的な評価について検討した。配(調)合条件が引張靭性に及ぼす影響について検討した実験結果から、鋼繊維量と圧縮強度をもとに引張靭性を概ね評価可能であることを確認した。さらに、実製造における品質変動の影響も踏まえて、設計への反映を想定した引張靭性の定量的な評価方法を提案した。
キーワード:
鋼繊維補強コンクリート、引張靭性、鋼繊維量、圧縮強度、骨材、空気量、実製造
品質と生産性の向上を目的とした打継目処理剤の開発
根本浩史・尾田健太・御領園悠司・幸田圭司
概要:
打継目は構造物の性能や耐久性に大きく影響するため、高い品質が求められる。従来から用いられている打継目処理剤には、散布時期のばらつきや散布ムラが生じた場合、処理効果に偏りが生じるという課題がある。その課題に対して、打込み直後に散布することで安定した処理効果が得られ、散布後の視認性を付与することで散布ムラを防止できる打継目処理剤を開発し、打継目の品質向上を可能とした。また、開発した打継目処理剤は散布までの時間が短縮でき、休日を挟んでも打継ぎ処理を可能にしたため、生産性向上にも貢献する。本論文では打継ぎ処理の機構を明確にしたうえで、打継目処理剤の開発過程を示し、実施工に適用した事例を紹介する。
キーワード:
打継目処理剤、アルカリ増粘、泡状噴霧、視認性向上、遅延剤、品質向上、生産性向上
工事・プロジェクト記録
ニューマチックケーソン工法の中埋めコンクリートに関する改善検討
東洋輔・田合昭博・石井智大・白石真由奈
概要:
ニューマチックケーソン工法における安全性や生産性を向上する取組みとして、掘削機移動レールを作業室内に残置し中埋めコンクリートを充填する手法を考案した。本手法を実工事へ実装するため、掘削機移動レールを残置した状態で充填性を確保できる配合を検討し、中埋めコンクリートの充填性を化学混和剤により改善した配合を用いて大気圧環境下および圧気環境下におけるフレッシュ性状を評価した。最後に、実工事へ適用した内容を示す。
キーワード:
ニューマチックケーソン工法、中埋めコンクリート、安全性、生産性、充填性、掘削機移動レール
高品質PCa工法で実現した壁式RC造の学生寮 立命館アジア太平洋大学 APhouse 5の設計・施工
村上友規・須賀順子・堀良平・福濱剛平
概要:
立命館アジア太平洋大学APhouse5は、261室を有する大学内の寮施設である。別府湾を見下ろす眺望豊かな丘の上に建つ国際色豊かな大学敷地内に、多国籍の学生が互いに教えあい、協業しながら成長できる寮施設を壁式鉄筋コンクリート造を用いて創出した。本稿では、別府湾の眺望やキャンパス敷地内という恵まれた周辺環境を取り込み、居心地のよい空間を生み出すための構造計画上の工夫と、RC打放しのファサードを短工期・高品質で実現したサイトプレキャスト計画上の工夫について報告する。
キーワード:
打放しコンクリート、壁式鉄筋コンクリート構造、風車形配置、斜め壁、サイトプレキャスト工法、超高強度コンクリート、Fc=300N/mm2
福島第一原子力発電所津波対策関係工事における石炭灰活用の取組み
松本宗浩・髙木亮一・橋爪正弘・古川園健朗
概要:
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の津波対策は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に起因して発生した福島第一原子力発電所の事故の緊急対策として設置されたアウターライズ津波対策防潮堤と、切迫性が高いとされる新知見として公表された千島海溝/日本海溝津波対策として設置された千島海溝津波対策防潮堤、そして現在工事が進んでいる日本海溝津波対策防潮堤の3つで津波リスクへの対応を図っている。日本海溝津波対策防潮堤設置工事は2021年6月より着工しており、工程やコスト面といった観点から、福島第一原子力発電所で利用実績のある石炭灰(原粉)を有効活用したアッシュクリートを使用している。本稿では、石炭灰を使用したアッシュクリートなどの材料についてその取組みを報告する。
キーワード:
石炭灰、フライアッシュ、原子力発電、津波対策、石炭ガス化スラグ細骨材
講座
土木コンクリート構造物の表面処理工法による補修 (3)表面処理工法の施工管理
加藤智丈
レビュー論文(文献調査委員会)
セメントの水和反応がフレッシュコンクリートの時間経過に伴う流動性低下に及ぼす要因
猪瀬亮
随筆
コンクリートはc材?、φ材?、そして骨材の鉱物学的解釈は?
小峯秀雄
海外だより
ネパール国:初めての山岳道路トンネルのコンクリート事情
倉持卓弥
さろん
豊島産廃で思うこと
松島学
コンクリート技士のページ
コンクリートを扱う仕事に従事して
市川千乃
コンクリート技士の資格取得を通じて
清水裕仁
コンクリート診断士のページ
資格取得を振り返って
髙橋昇一
コンクリートの勉強と今後について
鬼頭宏和
我が職場
環境に配慮したコンクリートポールを製造している中国高圧コンクリート工業(株)広島工場です!
角田秀隆
職場の輪(和)で造る“モノづくり” 西部徳山生コンクリート(株)
西嶋孝浩

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