日本コンクリート工学会

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会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.61, No.11
2023年11月号

目次

巻頭言
今こそConcrete for Human!!
濵田秀則
TOPICS
「富山大橋」架け替えと歴史の記録
伊藤始・山中久生
解説
「コンクリート圧送工法指針2023」の概要
中田善久・栗田守朗・鈴木澄江・浦野真次・柳井修司・十河茂幸
概要:
日本コンクリート工学会では、2023年3月に「コンクリート圧送工法指針2023」を発刊した。本指針は全10章の構成となっており、関連する資料を参考資料として19構成としている。ここでは、本指針の構成の概要を述べ、新たな3つのポイントとして、(1)平均圧送量、計画吐出量および必要吐出量の明確化、(2)ブームを用いた圧送作業と配管を用いた圧送作業による圧送負荷の算定方法の提示、(3)水セメント比45~65%の普通コンクリートにおける管内圧力損失(K)の標準値の提示について述べている。
キーワード:
コンクリート圧送工法、コンクリートポンプ、計画吐出量、必要吐出量、圧送負荷算定方法、管内圧力損失
2022年制定土木学会コンクリート標準示方書改訂の概要(その2)—設計編について—
二羽淳一郎・丸屋剛・石田哲也・中村光・玉井真一・岩波光保・藤山知加子
概要:
2023年3月に土木学会コンクリート標準示方書[設計編]が5年ぶりに改訂されたので、その概要について報告する。今回の改訂では、既設構造物についても適用範囲とする、偶発作用として地震動だけでなく衝突や津波・洪水も対象とする、高強度鉄筋を対象とし鉄筋強度の適用範囲を変更する、設計と施工・維持管理の連携をよりスムーズにする、特性値と材料物性の設計値の意味の明確化、耐久設計および耐久性に関する照査で用いる安全係数の整理、技術の発展に伴う構造設計や耐久設計に関わる技術内容を充実するなど、構造物に関わるさまざまな状況への対応に努めた。
キーワード:
既設構造物、偶発作用、高強度鉄筋、設計と施工・維持管理の連携、特性値と設計値、構造細目
令和5年鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)改訂の概要
渡辺健・轟俊太朗・中田裕喜・田所敏弥
概要:
鉄道構造物等設計標準(コンクリート構造物)」の通達(令和4年12月)に伴い、「鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)」を、2023(令和5)年1月に発刊した。本標準では、主に構造物や材料の種別ごとに制定されたこれまでの設計標準の構成を再編し、第Ⅰ編基本原則、第Ⅱ編橋りょう、第Ⅲ編コンクリート構造、第Ⅳ編支承構造を制定した。そして、鉄道システムにおける構造物の最適化を図るために、冗長性・頑健性に関する考え方、配筋や寸法の合理化、損傷部位や損傷順序の適正評価等を実現するための一連の設計法について定めた。
キーワード:
基本原則、橋りょう、コンクリート構造、支承構造、鉄道システム、社会との適合性
テクニカルレポート
建設用3Dプリンタにより建設した建築物の設計と施工
北村勇斗・坂上肇・大川悠奈・石関嘉一
概要:
建設用3Dプリンタは、建設の自動化や複雑形状の製造の容易さなどの特長から、従来の建設プロセスを変革する技術として期待されている。現在、セメント系材料を用いる場合、構造物に生じる引張力の負担方法が課題となっている。そこで、筆者らは引張力を負担する材料として、超高強度繊維補強コンクリートを3Dプリンタ製の打込み型枠に充填する工法を開発している。今般、本工法を用いて建築物の設計施工に関する知見の収集と実証を目的に実建築物の建設を行った。その結果、3Dプリンタで建築物の建設が可能であることが確認できた。なお、新材料・新工法を用いた建築物のため、構造耐力に関する国土交通大臣の認定を取得して建築確認を得た。
キーワード:
3Dプリンタ、UFC、自動化、省力化、ロボット、積層工法、圧送
UFC床版の橋梁火災による影響とその対策
大山理・今川雄亮・小坂崇・辻悠弥
概要:
近年のわが国において、老朽化などにより、鉄筋コンクリート床版のひび割れなどが顕在化している。そこで、その問題を解決するための1つとして超高強度繊維補強コンクリートを用いたUFC床版が開発されたが、UFCは超高強度であることから、高温に曝されると爆裂現象が懸念される。そこで、UFC床版を有する橋梁直下での火災を想定し、1)損傷発生の有無や各部材の受熱温度推定、2)UFC床版を合成桁橋に適用した際、合成の要となる頭付きスタッドの最大せん断耐力やずれ定数に及ぼす影響、3)耐火対策として、UFCに耐火塗料を塗布した際の温度上昇抑制効果を把握することを目的に実施した加熱試験結果について報告する。
キーワード:
超高強度繊維補強コンクリート、UFC床版、橋梁火災、合成挙動、耐火対策
工事・プロジェクト記録
RC床版下面補強鋼板の鋼板取替工事の施工報告
笹脇壮太・岩里泰幸・井垣芽生・松嶋秀記
概要:
阪神高速道路(株)が2015年度に着手した大規模更新・修繕事業において、昭和48年より前の道路橋示方書で設計されたRC床版に対しては施工後の補強工事にて鋼板接着補強されたもののうち、疲労耐久性の低下が懸念されるものに対し、その程度に応じて鋼板の取替・部分補強等の対策を行うこととしている。その中でも特に鋼板の取替について施工性や施工中の安全性の確保の課題がある。今回、本格的な工事の実施に先行して、堺線の3径間を対象にパイロット工事と位置付けた鋼板接着補強済RC床版の鋼板取替を実施した。本稿は、パイロット工事にて確認した鋼板取替の施工性や調査結果について報告する。
キーワード:
RC床版、鋼板接着補強、鋼板取替、パイロット工事
講座
コンクリート道路橋の点検・診断・補修 (2)維持管理を行っている現場での事例紹介
安藤博文
随筆
恩師の教え
渡邊慎一
海外だより
私のバングラデシュでのコンクリート工事の経験
新倉一郎
さろん
河岸段丘と段丘砂礫
野澤伸一郎
コンクリート技士のページ
コンクリートに関わる技術者として
中村和隆
コンクリート技士への挑戦と新たなる決意
野呂田悠斗
コンクリート診断士のページ
当たり前の光景
大川哲
「事後保全」から「予防保全」へ
森下行宏
我が職場
これまでとこの先、100年企業を目指して 九州中川ヒューム管工業(株)~宮崎~
寄田義文
宮崎大学工学部土木環境工学プログラムコンクリート研究室
李春鶴

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