日本コンクリート工学会

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会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.61, No.12
2023年12月号

目次

巻頭言
軍艦島調査がもたらしたもの
兼松学
TOPICS
リファイニング建築 ~耐震補強、躯体補修、耐用年数推定による築古RC造の長寿命化~
青木茂・秋山徹・佐藤信
解説
2022年制定土木学会コンクリート標準示方書改訂の概要(その3)—維持管理編について—
二羽淳一郎・丸屋剛・石田哲也・小林孝一・上東泰・岩城一郎
概要:
本稿は2022年制定土木学会コンクリート標準示方書[維持管理編]の改訂の概要について解説する。今回の改訂では、性能評価に関する記述を充実させるとともに、作用について取りまとめた新たな章を設けた。定期の診断の位置付けを見直すとともに、対策に新たな分類法を適用した。また複合劣化を解説する章も新たに設けるなど、最新の技術も反映させたが、より使いやすい内容とすることを目指して[標準]のスリム化を図るなど、主たる読者が維持管理に関わる実務者であることを意識しつつ、改訂作業を行った。
キーワード:
性能評価、性能の確保、作用、定期の診断、中性化および水の浸透に伴う鋼材腐食、複合劣化
テクニカルレポート
スランプフローで管理するコンクリートを用いた実大打込み実験による生産性向上効果の検討
田中豊・小池賢太郎・Michael Henry
概要:
2019年のJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の改正で新たに追加されたスランプフローで管理するコンクリートの港湾コンクリート構造物への適用性を検討するとともに、施工品質や建設現場の生産性向上効果を把握することを目的として実大打込み実験を実施した。外観および切断面の目視による比較、超音波伝播速度計測の結果より、コンクリートの施工品質はスランプで管理する普通コンクリートと同程度以上であることが確認された。生産性向上に関しては、バイブレータ稼働時間およびバイブレータ作業員の移動距離は大幅に低減しており、少ない労働負荷で同程度以上の施工品質を確保できることが確認され、建設現場の生産性向上に大きく寄与できる可能性が示唆された。
キーワード:
締固めを必要とする高流動コンクリート、実大打込み実験、施工品質、生産性向上
コンクリートおよびモルタル用ポリプロピレン短繊維によるコンクリートの乾燥収縮ひび割れ抑制技術
室賀陽一郎・大澤孝史・堀内孝文
概要:
コンクリートのひび割れの進展を抑制することを目的にポリプロピレン短繊維が用いられている。ひび割れをポリプロピレン短繊維が架橋することでひび割れの進展を抑制する。土間コンクリートなどの建築構造物の非構造部材で使用するにあたっては、乾燥収縮ひび割れの進展を抑制するための鉄筋やワイヤーメッシュなどは省略し、ポリプロピレン短繊維補強コンクリートだけで部材を作製することが可能である。配筋作業(工程)がなくなることでの工期短縮、配筋がなくなることでの作業員の足元安定(作業効率改善)は、建設現場の生産性向上にも寄与している。
キーワード:
ポリプロピレン短繊維、ひび割れ、生産性向上
工事・プロジェクト記録
新東名高速道路川西工事におけるコンクリート分野のDXとGX~次世代の建設現場に向けた挑戦~
藏重幹夫・伊原泰之・吉武謙二・山本伸也
概要:
新東名高速道路川西工事は、受発注者が協調して測量、設計、施工、検査、納品、に至る一連の建設生産プロセスにおいて、i-Constructionによる生産性向上に取り組んでいる。本報では、隅角部を円弧状とした角丸カルバートの開発およびICT技術を利用したプレキャスト部材の設置、BIM/CIMを活用したトンネル出来形検査の試行などのDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みだけでなく、バイオ炭を混和したコンクリートの適用に関するGX(グリーントランスフォーメーション)に関する取組みについても紹介する。
キーワード:
DX、GX、i-Construction、プレキャストカルバート、BIM/CIM、遠隔臨場
構造架構で沖縄の森を表現した免震ビル 沖縄セルラーフォレストビル
原田公明・瀧口真衣子・村上竜人
概要:
建築主より、沖縄のランドマークとなるデザインと、データセンターを有する安心安全な建物が求められた本計画では、基礎免震構造とRC造の耐震コア壁付き外周ラーメン架構を組み合わせた、高い耐震性を有する合理的な構造計画を提案した。沖縄という土地の特性を活かした環境計画(ダブルスキンやクールボイド)や樹木を想起させるデザイン性の高いファサードを、RCの構造架構で成立させている点が大きな特徴である。意匠・構造・設備での協働と、バランスのとれた架構計画のポイントについて紹介する。
キーワード:
免震、アウトフレーム、耐震壁クールボイド
PCa斜め柱を適用した超高層RC積層 蔵前JPテラス住宅棟
城戸隆宏・川上徹二・河本慎一郎・川岡千里・青野秀憲
概要:
本計画は、「蔵前」に建設されたオフィス棟・物流棟・住宅棟の3棟が混在する複合施設である。そのうち、超高層RC造建物である住宅棟において、高層部を支持する斜め柱の下部の直交梁に生じるスラスト力に対応するために採用したポストテンション方式によるPC梁、およびスパンが切り替わる高層住宅部分の外周ロングスパン梁にプレテンション方式によるPCaPC梁を用いた設計および施工について報告する。
キーワード:
超高層、PCa斜め柱、スラスト処理、PCaPC梁、高密度配線、制振構造
講座
コンクリート道路橋の点検・診断・補修 (3)調査と補修・補強の事例
安藤博文
レビュー論文(文献調査委員会)
極低温に曝されるコンクリートの背景と特性
恩田陽介
随筆
建築探偵見習い、明治期鉄筋混凝土に無我夢中!
藤原惠洋
海外だより
マニラ地下鉄本設地中連続壁の品質管理
川野光輝・Reynaldo Lamson
国際情報
JCIと台湾コンクリート工学会TCIとの第3回共同ワークショップ
石川雅美・宮澤伸吾
さろん
恩師
橋本親典
コンクリート技士のページ
コンクリート技士の一員として
樋口万季人
コンクリート技士の資格取得に際して
前田智尋
コンクリート診断士のページ
魔法のような生コン
桑原直樹
コンクリート診断士の知識を生かして
野田浩章
我が職場
土木研究所先端材料資源研究センター、暴露試験の取り組み
櫻庭浩樹
人と自然を大切にしたものづくり、(株)日東 黒羽工場
大林幸夫

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