日本コンクリート工学会

ホーム > 出版物/JCI規準/論文投稿 > 会誌「コンクリート工学」 > 記事を読む・探す > 2024年2月号目次

会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.62, No.2
2024年2月号目次

目次

巻頭言
土木・建築分野における平和教育とは?
大久保孝昭
TOPICS
琴ノ浦温山荘園—セメント・コンクリートの構築する紀州の名園—
岡田昌彰
解説
2023年制定土木学会コンクリート標準示方書改訂の概要(その1)—ダムコンクリート編について—
二羽淳一郎・丸屋剛・石田哲也・宇治公隆・金縄健一・大内雅博
概要:
2023年制定土木学会コンクリート標準示方書[ダムコンクリート編]は、2013年版を引き継ぎ、[本編]と[標準]の2部構成とした。[本編]と[標準]の相互の関連性に関する考え方は変えず、ブラッシュアップを進めた。2013年版の制定において審議時間が足りなかった事項について、そして、近年の動向を踏まえ、記述の追加や見直しを行った。主な改訂内容は、(1)温度規制計画、(2)ダム再生、(3)品質管理の合理化、(4)プレキャスト部材の適用である。各内容の考え方や根拠等については改訂資料に取りまとめた。
キーワード:
コンクリート標準示方書、ダムコンクリート、コンクリートダム、温度規制計画、ダム再生、品質管理の合理化、プレキャスト
「プレキャストPC橋技術規準」の概要
永元直樹・渋谷智裕
概要:
急速な少子高齢化に伴い、技能者の高齢化、技術者不足が深刻化し、建設分野では生産性向上が至上命題となっている。そのため、(公社)プレストレストコンクリート工学会では2005年制定の「外ケーブル構造・プレキャストセグメント工法設計施工規準」の改訂という形で「プレキャストPC橋技術規準」を策定した。今回の改訂においては、プレキャストPC橋のさらなる普及を推進すべく、プレテンション方式、ポストテンション方式のPC桁、主要部材にプレキャストを用いた橋梁までを対象としたとともに、新たに保全編を設け、構造物のライフサイクルを考慮した規準とした。なお、外ケーブル構造については、本規準内に包含している。本稿では、この規準について概説する。
キーワード:
プレキャスト、外ケーブル構造、生産性、環境負荷軽減
テクニカルレポート
積算温度に基づく若材齢圧縮強度の推定精度向上と覆工コンクリート脱型管理への展開
松本隆太郎・齋藤隆弘・稲垣太浩・遠藤宏朗
概要:
山岳トンネルにおける覆工コンクリートは打込み完了から12~20時間程度の若材齢で脱型されることが多く、脱型可否の判断に積算温度が用いられることがある。積算温度は圧縮強度と強い相関が認められるが、覆工コンクリートの脱型時期よりも長期の関係に基づいており、若材齢では圧縮強度の推定精度が不足することが懸念された。そこで、若材齢を対象とした多様な温度条件下での圧縮強度試験から、積算温度と圧縮強度の相関関係の向上を検討し従来よりも若材齢に適応した圧縮強度推定式を構築した。また、実施工の覆工コンクリートの脱型において、構築した圧縮強度推定に基づく管理手法を適用し、その実用性の確認を行った。
キーワード:
山岳トンネル、覆工コンクリート、積算温度、若材齢、推定精度、脱型管理、加温養生
工事・プロジェクト記録
プレキャストセグメント工法を適用したストラット付きPC連続ラーメン箱桁橋の設計・施工
後藤友和・松井利将・前田健太・得津萌佳
概要:
城陽第二高架橋は、現場作業の省力化、工期の短縮、コンクリートの高品質化など多くの優位性を持つ技術であるプレキャストセグメント工法を採用している。基本的な架設方法は、大型クレーンにより張出し架設する工法を採用し、箱桁部のコア断面を架設した後に、ストラットで支持された張出し床版を施工する計画としている。上部構造の片側にストラットに支持された床版を有する左右非対称構造であることから、地震応答特性に対して十分な構造安全性を確保するため、地震時におけるストラット取付部の挙動を明らかにする解析的検討も実施した。本稿では、ストラット付きPC連続ラーメン箱桁橋の設計・施工に関する取り組みについて報告する。
キーワード:
プレキャストセグメント工法、張出し架設、拡幅床版、ストラット、固有値解析、動的解析
超高耐久低収縮コンクリートスラブの施工—国宝薬師寺東塔高耐久基盤形成工事—
河野政典
概要:
歴史的建造物である薬師寺東塔の全面解体改修工事が行われた。その工事の一環として、東塔を支え続けてきた創建当時の基壇を保存しつつ、新たに東塔を支える人工基盤を構築することとなった。その人工基盤に適用するコンクリートは、耐用年数が500年で乾燥収縮ひずみが300×10-6以下の設計仕様であり、今回、これらの仕様を満足する超高耐久低収縮コンクリートの調合を得るため、収縮低減剤と膨張材の使用量、およびそれらの組合わせを因子とした調合実験を実施した。その実験結果に基づき、水セメント42%で、収縮低減剤を3%、膨張材を20kg/m3を併用したコンクリートを人工基盤となるスラブおよび梁に80m3適用した。
キーワード:
超高耐久、低収縮、コンクリート、膨張材、収縮低減剤
セメントを使用しない環境配慮コンクリートの建築物の構造部材への適用
加藤優志・一色裕二・保坂正義・小林圭
概要:
脱炭素社会の実現に向け、著者らのグループでは最大限にCO2排出量を削減したセメントを使用しない環境配慮コンクリートの適用を進めている。本報では、環境配慮コンクリートとして、(1)高炉セメントC種相当、(2)セメントを使用せず高炉スラグ微粉末をカルシウム系刺激材で硬化したコンクリート、(3)CO2を吸収した炭酸カルシウムを使用しCO2排出量収支をマイナスにしたコンクリートを建築物の構造部材に適用した事例を取り上げ、建築基準法に則した適用までの流れや製造方法、品質管理記録等について報告する。
キーワード:
高炉スラグ微粉末、炭酸カルシウム粉末、CO2排出量削減、プレキャストコンクリート、建築物、構造部材
桁取替工事におけるプレテンション方式T桁の設計・製作の工夫—阪和自動車道(特定更新等)松島高架橋他9橋橋梁更新工事—
桑名浩二・中川佳祐・中村敏之・井隼俊也
概要:
阪和自動車道のリニューアル工事に伴い、和歌山北ICから和歌山南SICに位置するRC連続床版構造形式である松島高架橋の主版架替え工事を実施している。本工事では、上下線総幅員を3回に分割し、交通規制期間中は幅員減少の採用により既設構造物の拡幅を行わないで、上下線で現状と同じく4車線を確保したうえで、既設主版の架替えを実施している。本工事は、分割された狭隘工事スペース内でSCBR工法を用いたプレテンションT桁の採用により、コストの縮減を図るとともに、支承部の維持管理性を向上させている。このプレテンションT桁に特筆した事項を報告する。
キーワード:
SCBR工法、プレテンション方式T桁橋、工場製作、施工性能確認試験、出来形計測
講座
スラブコンクリートの施工 まえがき
河野政典
スラブコンクリートの施工 (1)打込み上面の仕上げの基本
柳井修司
レビュー論文(文献調査委員会)
鉄系・銅系形状記憶合金が適用されたコンクリート構造物の研究事例
鈴木裕介
随筆
骨材のはなし
大塚尚寛
海外だより
シンガポールにおける生活と研究開発の近況
石関浩輔
国際情報
国際コンクリート・ポリマー複合体会議(ICPIC 2023)の概要
若杉三紀夫・桑原裕樹
さろん
マイブーム
井上晋
コンクリート技士のページ
コンクリート業界に飛び込んで
彦坂政寿
コンクリート技士を取得して
坂井悠真
コンクリート診断士のページ
メンテナンス技術の継承
藤田弘昭
診断業務に従事するということ
阿部博宣
我が職場
PC技術でつながる仕事 日本高圧コンクリート(株)
石後岡蓮
北海道大学環境機能マテリアル工学研究室
橋本勝文

Copyright © Japan Concrete Institute All Rights Reserved.

トップに戻る