日本コンクリート工学会

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2016年4月号

コンクリート製品

 生活と産業の社会基盤は、多くの構造物がコンクリートで作られています。道路、鉄道、港湾などの産業設備、上水道や下水道などの生活基盤、住宅やオフイス等の建物など、コンクリート構造物は現場打ちでも工場で作られたプレキャストコンクリート製品でも、外観は大きくは変わらないので、プレキャストコンクリート製品の存在は目立たないようです。

 日本全国の何処でも今日のように生コン工場でコンクリートを練混ぜ、アジテータトラックで運搬し、コンクリートポンプで打ち込むのが普通のことになったのは、約50年前の東京オリンピックの頃からです。一方、鉄筋コンクリート管が遠心力成形によって工場生産されるようになったのは、大正末期から昭和初期のことですから、コンクリート製品は90年の歴史があります。
 今回はコンクリート製品の特長と様々な製品を紹介してみたいと思います。

(執筆者:永吉哲郎(一社)全国コンクリート製品協会)

製品名 img 遠心力鉄筋コンクリート管(ヒューム管) ボックスカルバート シールド用セグメント 歩道用平板 歩車道境界ブロック インターロッキングブロック 落ちふた式U形側溝 自由勾配側溝 積みブロック L型擁壁 コンクリートパイル 鉄筋コンクリート組立マンホール ベンチフリューム プレストレストコンクリートポール 道路橋用橋げた 雨水貯留槽 ロックシェッド 張りブロック 緑化ブロック PCまくらぎ 空洞ブロック ALCパネル カーテンウォール 視覚障害者誘導用ブロック 電線共同構 魚礁ブロック

生活の場でのコンクリート製品

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目次
  1. コンクリート製品の本質的優位性
  2. コンクリート製品の利点
    (1)品質安定性・信頼性・規格・品質保証
    (2)建設作業員の減少対策および現場作業・管理の省力化
  3. コンクリート製品の製造
  4. コンクリート製品の種類

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 このように数多く使用されているコンクリート製品ですが、日本のセメント使用量の約13%にとどまり、下記のように諸外国と比較すると建設工事におけるプレキャスト化の余地が大きいことが分かります。

<ヨーロッパのプレキャスト化率ix>

デンマーク オランダ フィンランド オーストリア アイルランド
49% 48% 42% 33% 29%
スウェーデン ベルギー ドイツ チェコ  
28% 24% 24% 23%  

〔参考文献〕
i (財)日本ダム協会:ダム工事のプレキャスト化施工事例集、pp5、2010年
ii (財)日本ダム協会:ダム工事のプレキャスト化施工事例集、pp70、2010年
iii (社)日本コンクリート工学協会:プレキャストコンクリート製品の設計と利用研究委員会報告書、pp318、2009年
vi 土木学会コンクリートの環境負荷評価(その2)、pp102、2005年
v (一社)全国コンクリート製品協会:コンクリート製品検定2015公式テキスト
vi (公社)日本コンクリート工学会
vii (一社)全国コンクリート製品協会
viii (公社)全国土木コンクリートブロック協会
ix (社)日本コンクリート工学協会:プレキャストコンクリート製品の設計と利用研究委員会報告書、p12

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